「定年退職を迎え、第二の人生と言われるけれど何をしていいかわからない」「SNSを開くと他人のキラキラした投稿ばかり目につく」「忙しい毎日に追われて自分らしさを失っている」……そんな悩みを抱えている人も少なくないのでは? 7月31日に最新エッセイ『この平坦な道を僕はまっすぐ歩けない』(新潮社)を上梓したお笑いコンビ「ハライチ」の岩井勇気さんに、日常を面白がるコツや悩んだときに岩井さんがやっていることなどを伺いました。
悩んだら、ストレスを天秤にかける
――ストレスについても伺いたいです。現役世代の人たちは「仕事がしんどい」「忙しすぎて休日は寝て終わり」と悩んでいる人も多いです。忙しすぎて自分のやりたいことができないとき、ストレスの解消法についてお聞かせください。
岩井:僕は相談に乗るのが向いてないのですが、僕はストレスを天秤にかけているんです。
――どういうことでしょうか?
岩井:プラスを天秤にかけているのではなくて、マイナスを天秤にかけているんです。忙しいじゃないですか、毎日。忙しいと心の余裕が失われていく。そのストレスと仕事を変えるストレスを天秤にかけるんです。
今の仕事で得られるのはお金ですよね? それがなくなるストレスと、忙しくて心の余裕が失われていくストレスを天秤にかけるんです。それで心の余裕がなくなるストレスのほうがしんどかったら、仕事を見直すとか転職を考えるほうがいいのかもしれない。
でも、こういう答え方をすると「そういう言葉が欲しいんじゃない」って言われるんですけれどね(笑)。
――すごくわかりやすいなと思いましたけれどね。
岩井:僕も中には気が進まない仕事がきたときに、「嫌な仕事だと思って、これをやることのストレス」と「その仕事をやらなかったことで発生するストレス」を天秤にかけています。
普通は皆さん、プラスを天秤にかけることが多いと思うのですが、マイナスを天秤にかけたほうがわかりやすい気がするんですよね。やらない選択肢って、やることによって発生したストレスを回避できるように思うかもしれないですが、やらないことで発生するストレスというのも確実にあるので、それをちゃんと考えて天秤にかけたほうがいいのかなと思います。
THE GOLD 60編集部