2人以上の子供がいる家庭において、特に家賃・土地の高いエリアでは、きょうだいが同じ部屋を使っているというケースも多いでしょう。そこで親の頭を悩ますのが、子供部屋の片づけです。そこで今回、一級建築士/模様替えアドバイザーのしかまのりこ氏の著書『狭い部屋でも快適に暮らすための家具配置のルール』(彩図社)より、「散らかりにくい子供部屋」をつくるためのテクニックを紹介します。
きょうだいで1つの部屋を使用→“荒れ放題”だったが…「散らかりにくい子供部屋」にするテクニック【一級建築士が解説】
2人で使う子供部屋の造り方
[図表6]は、広さが約6畳の子供部屋の間取り図です。
小学生の兄弟2人で部屋を使っていました。
部屋は6畳と広くないため、シングルベッドを置かず、2段ベッドを置いています。また、ベッドのレイアウトも、部屋の隅であり問題はありません。
しかし、学習机が[図表6]のように、2方向の壁に向かって別々にレイアウトされているため、学習空間が2つに分かれていました。
このことで、机を起点とした兄弟の動線がぶつかりやすく、イライラしやすいレイアウトとなっていました。
また本棚も、扉のそばにあり、クローゼットなどの収納空間と離れているため、本棚に収納しきれないものが、部屋の中心にあふれてしまっていました。
そこで、学習空間・収納空間をそれぞれまとめ、部屋を3つの空間に分けて、家具をレイアウトし直してみました。([図表7])
はじめに、収納空間に合った学習机をコンセントのあるもう1つの学習机の横に移動しました。
このことで、別々にレイアウトされていた学習机は1つにまとまり、机を起点とした兄弟の動線が、ぶつかることがなくなりました。
学習机を動かしたクローゼット横のスペースには、本棚を移動し、まとまった収納空間ができました。
収納空間と学習空間をまとめたことで、部屋の中心が散らかることもなくなり、動きやすくスッキリした部屋になりました。
クローゼットは、一時的に扉を外してオープン収納にし、子供にとって片付けやすくしました。([図表8])
また、オープン収納には、ざっくりと片付けができるように兄弟それぞれの収納ケースを置き、本棚に入らなかったものも簡単に収納できるようになりました。
最後に就寝空間ですが、スペースをとる2段ベッドは、学習空間と平行に横向きにして部屋の中心を避け、壁に沿わせてレイアウトしました。
部屋を就寝空間・学習空間・収納空間の3つの空間に分けることで、2人で使う子供部屋でも、動きやすく片付く部屋にすることができます。
しかま のりこ
COLLINO一級建築士事務所
一級建築士/模様替えアドバイザー