服を選ぶとき、「太って見えない」デザインを選びたい、と考える人が多いのではないでしょうか? 『ダイエットなしで着痩せして見えるワンピースの選び方』(笑がお書房)の著者である二―亜紀子氏は、着痩せにおいて「サイズ感」が重要な要素であるといいます。すっきり上品に見せるための着こなしのコツを紹介します。
オーバーサイズの服で〈気になる部分〉を隠すのは逆効果…“品よく着痩せ”を叶える「着こなしの法則」【着痩せのプロが助言】
間違いだらけのサイズ選び
洋服を選ぶ時には、色やデザインは重要です。しかしその前に、必ず確認しておくべきことがあります。あなたは、自分の正しいサイズを知っていますか? 正しいサイズを知らないで、お洋服を選んでいると、いくら色やデザインがあなたに合っていても、サイズが合っていないので、着痩せ効果は大幅にダウンします。
ワンピース選びに大切なのは「サイズ感」
お客様に洋服のサイズをたずねると、ひとつ上のサイズを言う人が多いです。これもまた、日本人あるあるだと感じます。外国人は逆に、小さいサイズを言われます。
日本では、9号サイズの洋服がいちばん多く売られています。そのため9号の人は選択肢が多く、お店でも試着し放題です。とは言え、それぞれ身長も体格も違うのに、誰もがみんな同じように9号になろうと努力しているのはとても不思議な現象です。9号サイズが良い! ではなく、人それぞれの身長、体格にあったサイズがもっとも良いのです。日本では、痩せていることこそ「美」だと感じる人がまだまだ多いのが私としてはとても残念に感じます。
私はお客様に「スリーサイズを教えてください」と、ご試着の前におたずねるのですが、正しく答えられるお客様はほぼいません。通販など試着ができない場面で洋服を買う際には、スリーサイズがわかっていなければ失敗してしまいます。ほとんどの人は「9、11、13号のサイズがわかっていれば、いいんでしょう?」と思っているはずです。
実のところ、人の体型はそんなにシンプルではありません。たとえば、上半身は9号だけれど下半身は11号という人がいる一方で、上半身は11号だけれど下半身は9号という人もいます。必ずしも、上下のサイズは同じではないということです。だから、自分のサイズを9、11、13号で知っているだけはなく、スリーサイズを知っていることがとても大切になります。
ここで、あなたにご提案です。実際に自宅でメジャーを使い、ご自身のスリーサイズを測ることをおすすめします。そして数字だけでなく、鏡に映る自分のシルエットを前から横から見て、体型のバランスを確認してください。
また、スリーサイズとともに「サイズ感」まで知っていたら完璧です。サイズ感とは、実際に洋服を着た時に、自身の体型にどのように洋服がフィットしているかということ。これは、着痩せするための重要な要素です。
たとえばワンピースを着たとき、生地に横ジワが入っていないか。または、下着の線がくっきりと見えていないか。もし下着からの「ハミ肉」が出ている場合は、身に着けているものが小さいということです。自身の体型を小さく見せたいために、小さいものを着るのは逆効果で、体型がよりくっきりと強調されてしまいます。
洋服を着る時には、ほどよい「ゆるみ」が、上品さを醸し出します。洋服を着たら、背中の部分をつまんでみてください。どれくらいの余裕がありますか? もしもここにつまめる余裕がなければ、その洋服はあなたにとって小さすぎるということ。反対に、指が2、3本も入るほど余裕があれば、それは大きすぎます。洋服を着た時は指1本分くらいの余裕があることが、着痩せするために最適なサイズ感です。
覚えていただきたいのは、大きすぎるサイズの洋服は着痩せしないということ。体の気になる部分を隠せたとしても、スタイルアップはしません。また生地が余ることで、だらしない印象も与えてしまいます。
数年前に、トップスは長めのチュニックでお腹周りを隠して、ボトムはレギンスを履くスタイルが流行しました。確かに体のいろいろな部位を隠せてはいますが、着痩せ効果はゼロです。しかも、全くもっておしゃれでもありません。ただ単に自分が楽というだけです。
サイズ感を知らないことは、洋服だけでなく下着選びにも影響します。サイズを知らなくても購入できるブラトップはとても便利で、付け心地も快適です。家でくつろいでいる時には、ブラトップを使うのも良いでしょう。ただし、ワンピースを着る時にブラトップを選ぶと、胸がツンと上がらずスタイルアップしません。下着は、おしゃれを楽しむために欠かせない重要なアイテムです。1セットだけでもいいので、自分のサイズに合ったブラとショーツを必ず持つようにしましょう。