プレゼンの資料作りで、ビジネスパーソンにはお馴染みのアプリケーションPowerPoint(パワポ)。実は、いきなりパワポを開くのは資料作りにおいて、大変危険です。効率的に資料作りをするために、最初にやるべき準備とはいったい何なのでしょうか? 働き方改革プロジェクトアドバイザー・坂本崇博氏の著書『仕事のアップデート100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、見ていきましょう。
「資料作るぞ」→いきなりパワポを開くはNG!「会議やるぞ」→いきなり指名もNG!“シゴデキ”の人がやっている資料作りから会議までのステップ8つ【働き方コンサルタントの助言】
「パワポを開く前」にやるべき2つのこと
「説明の流れ」を別のアプリに書き起こす
会議のための資料やプレゼンのための資料作りというと、多くのビジネスパーソンは「PowerPoint(パワポ)で作るもの」と思うでしょう。確かに、パワポは資料作りのアプリケーションとして多くの人に親しまれています。しかし、資料作りのためにいきなりパワポを開くのは非効率になる場合があります。それは、何も素材がないときです。
A4サイズが標準のWordとは違い、パワポはスライドを無限に増やすことができますが、ゴールを決めずにスタートするとダラダラと長い資料になってしまう危険があります。資料作りの書籍などには「プレゼン用なら10枚程度」などの目安がありますが、大事なのは「何を伝えるための資料なのか」です。まず必要なのは、どうやって伝えるかのストーリーを考えることです。
パワポ資料のストーリーとは、表紙という導入シーンから最後の結論まで、どんな流れで説明をしていくかという道筋です。壇上でスピーチをするときの原稿だと考えるとわかりやすいでしょう。「このシーンではこのエピソードを話す」など、段階を追って話をするのと同じ考え方です。段階を追って話すのは、相手が理解しやすいようにするためです。例えば、クライアントからの難しい注文への対応のために上司に承諾を得るときは、いつ、だれが、何を、どうした(どんな希望を出した)など、わかりやすい説明の順番を考えてから話すでしょう。同じように、パワポの資料作りでは、パワポを開く前に、別のアプリや手書きなどで説明の流れをまとめることが必要なのです。
きれいなパワポ資料の作り方、見やすいパワポのスライドデザインなどは、様々な本などで紹介されていますが、それらを参考にする前にストーリーを作ることを忘れてはいけません。
過去の資料を活用を活用する
「いきなりパワポを開かない」という言葉には、説明ストーリーを先に作る以外の意味もあります。それは「ゼロから作るのではなく、過去の資料をうまく使って時間を節約する」ということです。
このときの過去の資料には2つの意味があり、1つ目が過去に制作したパワポ資料の意味です。ストーリーが似ているものであれば過去の資料を下敷きにして文章や図、写真を入れ替えていけば作成も早く済みます。複数の過去資料を組み合わせる場合でも、ゼロから作るよりは早く完成するでしょう。2つ目は、過去の資料を見ることで、資料を使った説明の場面での失敗や改善点などを思い出して資料をアップグレードできるためです。プレゼンが上手な人の資料や説明ストーリーなどを参考にするのもオススメです。
【ポイント】
●いきなりパワポを開かないには2つの意味がある
●1つ目は説明ストーリーを先に作って時間を無駄にしないため
●2つ目は過去の資料を利用して作成時間を短くするため
●過去の資料は失敗の回避や資料のアップグレードにも役立つ