たびたびもらうことがある「贈り物」。形のない、代えがたい「贈り物」は誰にもらいましたか。現在、年金を受け取りながらフリーのコンサルト・YouTuberとして活躍するぺこりーの氏は妻からの「贈り物」を回想しながら、妻を失って初めて知った「人生の意味」について語ります。本記事は、大切な人がいる、あるいは大切な人がいたシニアに向けて、ぺこりーの氏の著書『妻より長生きしてしまいまして。』(大和書房)より一部を抜粋してご紹介します。
今でも手元にある大切なもの
贈り物をもらう機会はたくさんある。一番わかりやすいのは自分の誕生日、その他にクリスマスやバレンタインデー、入学や卒業、引っ越しなどなど。私もこれまでたくさんの贈り物をもらう機会があった。その中でも、記憶に残っている贈り物がいくつかある。
東京の会社にスカウトされた時に、お祝いでもらったイタリア製の皮のバッグ。私が大好きだった「LIN-KU(リンク)」というメンズブランドのバッグだ。イタリア製の革なので、色が鮮やかでとてもおしゃれなバッグだった。その革の色は黄色と黒。もらってからもう15年以上も経つが、まだまだ十分使える。「LIN-KU」ブランドは、他にも名刺入れと財布も一緒にもらったので、総額で15万くらいしたのではないかと思う。
あとティファニーっぽく、ふたつのリングがクロスしているように見えるプラチナのリングももらったことがある。私の誕生日プレゼントだった。プラチナを男がつけていても、シルバーリングにしか見えない。イエローゴールドのように嫌味な主張がないから、本当は高級なジュエリーなのにあえてシルバーに見えるという、そのチョイスに頭が下がる。そのリングは、ジュエリーデザインの職人さんに手作りしてもらったものらしい。
誕生日といえばよくもらったのが、私の大好きな芋焼酎「森伊蔵」だ。今でも相変わらずのプレミア価格だが、もっともこの焼酎がブームだった頃はとんでもない価格だった。個人的には、この贈り物が一番嬉しかった。
私はファッションが好きだったので、洋服や靴などもたくさんもらった。今でも手元にあるが、イギリスのブランドの「KATHERINE HAMNETT(キャサリンハムネット)」の革靴とマフラー。このブランドは細身なので、今の私が着れる服はないが、当時はまだ私も今よりは細かった。