老後の心配ばかりしてたらストレスで死ぬぞ

老後などまだまだ先だというのに、老後の心配ばかりされているみなさんがいかに多いことか……。そんなに心配ばかりしていたら、ストレスで長生きなどできなくなる。本末転倒だ。

日本人が心配性なのはよくわかるが、人生には困難がつきものだろ。あなたが晴れて年金生活に入るまで生きられる保証など、まったくないというのに。

現に先月、私の飲み仲間の友人が44歳という若さで亡くなった。美しい女性だった。しかし、高校生の息子をひとり残して天国へと旅立った。おそらく本人は、まだ自分が死んだとは思っていないかもしれない。

もうひとりの飲み仲間も、3年前にアラフィフで亡くなった。私の妻が亡くなったのも58歳。みんな1円の年金ももらわずに死んだのだ。

あなたが無事に60歳を迎え、年金を繰り上げ受給できる歳になったとしよう。少ない年金でも、年金がもらえる歳まで生きてこれたことを、まずはお祝いしようじゃないか! 丈夫に産んでくれた親にも感謝だな! 

自分は100歳まで生きられるとみんな思っているだろうが、現実はそうはいかない。平均寿命の足を引っ張っる人がいなければ、とっくに平均寿命は100歳を超えているだろう。うちの妻も平均寿命を下げたほうの人間だ。

老後の心配は「そのとき」になってからすればいい

この言葉は哲学者の岸見一郎先生が、「老後の不安」についての相談に答えられた一文である。まったくもって同感だ。人生は総じて苦しい時も多い。もちろん楽しいこともたくさんある。そうやって、若い時から困難を乗り越えて生きていくのが人生であろう。決して老後だけが辛く苦しいわけではないと、岸見先生もおっしゃっている。

現に、ここにいる現役老人が言うのだから間違いない! 長生きできる保証などないのに、長生きしてしまったことばかり考えて不安になるなんて、当たらないガリガリ君を憂いてばかりいるようなものだ。

ん? ちょっと違う? それよりも、今の生活の設計をしっかりとやって、いずれ訪れるかもしれない困難に備えておくほうに考えを巡らせよう。

困難がこなければ、それでいいではないか。少ない年金をあれこれやりくりしながら生きるのも、案外楽しいものだよ。年金生活者の醍醐味だ。