たびたびもらうことがある「贈り物」。形のない、代えがたい「贈り物」は誰にもらいましたか。現在、年金を受け取りながらフリーのコンサルト・YouTuberとして活躍するぺこりーの氏は妻からの「贈り物」を回想しながら、妻を失って初めて知った「人生の意味」について語ります。本記事は、大切な人がいる、あるいは大切な人がいたシニアに向けて、ぺこりーの氏の著書『妻より長生きしてしまいまして。』(大和書房)より一部を抜粋してご紹介します。
人生という贈り物
もらったのは物ばかりではない。「人の道を教わる」という贈り物もたくさんもらった。親の愛情を知らずに育った私は、自分を産んでくれた親に感謝し愛することを教わった。
他にも、友人を大切にすること。一度でも縁があった方には礼を尽くすこと。間違ったことには、自分が前に出て声をあげること。動物を愛すること。思い出は財産であること。などなど。人として生きるうえで大切なことを、たくさん教えてもらった。これも大事な贈り物だ。
1万回近くの手作り弁当。数えきれないほど食べた、毎日の美味しいご飯。私の服を洗濯し、私の布団をベランダに干し、毎日掃除機をかけ、お風呂を沸かし、私が仕事から帰ったら、毎日気持ちよく過ごせるように気遣ってくれていた。そうだ。ここまで書いたことはすべて生前の妻からもらった贈り物なのだ。
そして一番大きな妻からの贈り物は、娘だった。かけがえのない命という贈り物は新たな命へとつながり、遠すぎてよく見えない未来まで続くのだろう。私は、どれだけ多くのものを妻からもらったのだろう。しかしもう……、私がお返しできることは何ひとつない。
今までたくさんの贈り物をありがとう。そして遠い道のりを一緒に歩いてくれて、本当にありがとう。ここから先は、ひとりで歩くよ。