年金 月11万、自由であることが一番の幸せ

先日珍しく、Amazonをかたるスパムでもなければ婚活サイトのメルマガでもない、明らかにお仕事絡みとわかるメールが届いた。

メールを開いてみると、たしかにお仕事のオファーだった。「私でもまだ需要があるのか……」日本の労働者不足もいよいよ深刻だな。ただ、今は動画の撮影と編集で手一杯だから、丁重にお断りの返信を差し上げた。

まあお仕事をいただけるのはたいへんありがたいことだし、確実な収入だからもったいない気もする。まるで池田エライザさんに耳元で「今夜どう?」と誘われているのに、「お前には興味ねえんだよ!」と背を向ける世紀のバカ男のようだ。

しかしね〜。ここでズルズルと仕事を受けてしまっては、間違いなく動画制作が疎かになるのはわかっている。私はそんなに器用でもないし、若い頃のように多くの時間も持ち合わせていない。それでは、せっかくYouTubeを楽しみにしてくれているファンのみなさんにも申し訳がない。目の前の小金に釣られて、また不自由な生活に戻るのは真っ平だ。

金と自由。あなたならどちらを選ぶ?

もちろん今の状況にもよるだろう。私はこの歳になったからだが、迷わず自由を選ぶ。それでこそ「人生うぇ〜い!」だ。

ところが! お仕事のオファーをしてきた担当君は、私がメールで断っているにもかかわらず、今度は電話をかけてきたじゃないか! 

たしかにメールを見れば、お相手のクライアントはかなりの大手企業。どうしても、アドバイザリーとして私が必要らしい。電話の向こうで熱く語る担当君の話を聞きながら私は……、そんなに? 俺いいすか? と思った。まるで日本に私しか人材がいないかのような言い方だ。

んなわけないじゃないの〜。と、また丁重にお断りしたのだが、担当君は本当に残念そうだった。

もしや、本当に日本中に私しか人材がいないのかも……。電話を切って冷静に考えた。私の経験が、この歳になっても必要とされる。そうか。誰でも同じことを一生続ければ、それ相応のプロフェッショナルにきっとなるんだなと思った。