性格の正体は「痛み」と「快感」の記憶である

それでは、どのようにして後天的な性格がつくられていくのでしょうか。それを紐解くために必要なのが、脳の2大性質です。ズバリ「快感学習」と「恐怖学習」と呼ばれるものです。「快感学習」とは、体験した出来事を「快感」として記憶する脳の学習です。たとえば、あなたが訪れた新しいレストランで、珍しい魚が出されたとします。


その魚がとてもおいしかったら、それは「快感」として脳に記憶されます。これがいわゆる「快感学習」です。ところが、逆にその魚を食べて、お腹をこわしたとします。すると今度は、「もうこんな魚なんて絶対に食べない」と、脳は「恐怖(痛み)」として認識してしまうのです。これが「恐怖学習」です。


私たちは、一度食べて痛い目にあったことを忘れてしまったら、命の危険にさらされてしまいます。一方で、美味しいものを忘れてしまったら、また一から美味しい食べ物を時間をかけて探さなくてはいけません。私たちの脳は人類が生まれた時代からずっと生存していくために、「ここには行かないほうがよい」「この部族と付き合うとメリットが大きい」などを常に学習して、行動を効率化させています。


実はこの「恐怖学習」と「快感学習」が、後天的な性格をつくっていることが研究でわかってきています。