日常生活の中で欠かせない「食」。飽食で情報過多な時代と言われつつも、テクノロジーやデジタルの進化に沿って、日常で使うものも賢く選択することで、自分に合った恩恵を享受できる時代になっています。例えば、これまでにないようなおいしい食事を味わえたり、簡単に健康食を実践できたり、台所を清潔に維持できたり……。そうです、忙しい現代人にとって、身近なシーンを無理なく快適にしてくれるテクノロジーがあったら大歓迎なのではないでしょうか。そこで今回は、私たちの日常で欠かせない台所まわりや食卓シーンにおける事例をご紹介してみようと考えました。
身近な食卓・台所まわりこそテクノロジーを…日常生活を快適にする最新事例

「エレキソルト スプーン」開発の背景

この開発背景にあるのは、日本人の塩分摂りすぎ問題。20歳以上の日本人における1日あたりの食塩摂取量は10.1グラム。WHOが掲げる食塩摂取推奨量5.0グラムと比較すると非常に多いことが問題視され、厚労省が食塩の過剰摂取が日本人の最も重要な栄養課題と掲げている状況に。

 

同社は、明治大学総合数理学部先端メディアサイエンス学科の宮下芳明教授が研究する「塩化ナトリウムに頼らず電気刺激で味を再現する技術」を起点として共同研究を開始。そして2024年5月20日から、減塩食品の塩味を約1.5倍に増強させる独自の電流波形の技術を搭載した食器型デバイス「エレキソルト スプーン」の予約・抽選販売を公式オンラインストアではじめました。

 

このスプーンは、初回200台というごくごく限られた商品数であることや、19,800円という価格にやや距離感を感じる人もいるに違いありません。また体感効果に個人差があったり、食品によって効果を体感しづらいものがあるようで、今後の技術改良や量産化に大きな期待が寄せられています。

 

家庭内の身近なアイテムに注目してみることは有意義で、それらにテクノロジーの進化を上手に取り入れることができれば、これまで以上に日常生活が豊かになるかもしれません。皆さんのルーティンに登場するものを再点検してみるのはいかがでしょうか?

 

 

<著者>

スギアカツキ

食文化研究家。長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを幅広く学ぶ。在院中に方針転換、研究の世界から飛び出し、独自で長寿食・健康食の研究を始める。食に関する企業へのコンサルティングの他、TV、ラジオ、雑誌、ウェブなどで活躍中。