「長寿遺伝子」サーチュインの発現誘導を促進する“ある果物”とは

サーチュインの遺伝子発現を増加させる成分 出典:『最新科学で発見された 正しい寿命の延ばし方』(総合法令出版)より抜粋
[図表1] サーチュインの遺伝子発現を増加させる成分 出典:『最新科学で発見された 正しい寿命の延ばし方』(総合法令出版)より抜粋

赤ワインからレスベラトロールを摂取しようとすると、かえって肝炎やアルコール中毒になってしまいます。
※レスベラトロール……抗酸化作用を持つポリフェノールの一種で、赤ワインに含まれる成分。「長寿遺伝子」といわれるサーチュインの遺伝子発現を促進する活性が強く、メタボリックシンドロームや老化に伴う疾患を予防する機能があるとみられている。

そこでおすすめしたいのが、ザクロです。図表1に示すように、エラグ酸やプニカラギン、プニカリンなど複数のサーチュイン遺伝子発現誘導成分が多く含まれています。このため、食品としてサーチュイン遺伝子発現誘導成分を摂取しようとするなら、ザクロがおすすめです。

図表1にあるウロリチンはザクロ自体に含まれているわけではなく、エラグ酸が体内に入り、腸内で腸内細菌の作用により変換されウロリチンとなります。このウロリチンの作用も相まって、サーチュイン遺伝子の発現量がアップすることが期待されます。

1日1杯のザクロジュースで健康に

それでは、どのくらいザクロを食べればいいのでしょうか?

市販されているザクロジュースには、エラグ酸が100mlあたり30mg程度含まれている商品もあり、1日1杯ザクロジュースを飲むことで健康効果が期待できます。

たまに、街角で庭木などの観賞用に栽培されているのを見かけますが、日本では古くから栽培された果樹の一つで、果実は食用になります。残念ながら、かなりの専門店でない限り果物屋さんや八百屋さんではあまり目にしないため、果実から成分を定期的に摂取するのは難しそうです。そこでおすすめなのがジュースです。

ザクロジュースを買うときに確認すること

ザクロジュースはさまざまなものが販売されていますが、まずは表示を確認し、果汁量が多い商品を選択してください。果汁量は100%以上のものがいいでしょう。

「100%以上とわざわざいうことは、200%のものとかあるの?」と疑問に思ったかもしれません。ジュース類は原産地からの輸送コストを抑えるため濃縮してから輸送し、販売拠点で加水することで元に戻す濃縮還元製法が用いられます。このときに加水量を減らせば、果汁が100%以上になるケースも出てくるわけです。

ザクロの有効成分は加熱に強いので、濃縮還元製法のジュースでも成分は変性することなく有効に摂取することができます。