日本の住宅の間取りは、狭い空間を無駄なく効率的に使えるよう工夫されてきました。しかし、一級建築士で模様替えアドバイザーのしかまのりこ氏によると、この住み慣れた日本の住宅に対する「固定観念・思い込み」によって、実は快適な暮らしが遠のいている可能性があるというのです。はたしてその「思い込み」の正体とは? 『狭い部屋でも快適に暮らすための家具配置のルール』(彩図社)より詳しくみていきましょう。
「D」は「K」の隣じゃなくていい…「入れ替え」でゆったりした空間に
ダイニングよりリビングが狭く、思うように家具レイアウトができないときには、思い込みをリセットし、全体的に視点を変えてみます。そこで、リビング空間とダイニング空間を入れ替え、家具をレイアウトしてみました。
[図表3]は、リビング空間とダイニング空間を入れ替えた後の家具レイアウトの様子です。ソファやテレビボードなどのリビング家具は、空間を入れ替えたことで、ゆったりしたレイアウトにできました。
また、ダイニングテーブルは、壁に寄せてレイアウトし、バルコニーへの動線(矢印)を確保しました。空間を入れ替えて家具をレイアウトしたことにより、部屋の中心は広くなり、動きやすいリビング・ダイニングになりました。
ときには固定観念や思い込みをリセットし、フレキシブルに間取りを考えれば、無理のない理想的な家具レイアウトが可能になり、ダイニングが広く、リビングが狭いなどのような部屋の悩みが解決できます。
しかま のりこ
COLLINO一級建築士事務所
一級建築士/模様替えアドバイザー