電子マネーやネット銀行、各種サブスクリプションなど、Webサービスの利用者は年々増加しています。これにより、Webサービスの利用者本人が亡くなってしまったあと、遺された家族がそれらを解約できず、トラブルに発展するケースが増えているそうです。そこで、遺される家族に迷惑をかけないための生前対策について、詳しくみていきましょう。行政書士/相続・終活コンサルタントの明石久美氏が解説します。
現代の終活には必要不可欠!大切な家族を困らせない〈デジタル遺産〉の生前対策【終活コンサルタントが解説】
暗号資産は?電子マネーは?…「相続対象」となるデジタル遺産
デジタル遺産には相続の対象になるものもあります。ネット銀行やネット証券はもちろんですが、その他にも次のようなものがあります。
<相続対象となるデジタル遺産>
●暗号資産※(仮想通貨)
パソコンやスマホ、預貯金口座の入出金履歴、郵便物などから利用していた取引先を特定し手続きする必要がある。暗号資産があることを知らずに相続手続きをした場合、後日この暗号資産が判明したら、追加で遺産分割などの手続きを行わなければならない。
※ 暗号資産……インターネット上に記録され、現実でも換金価値のある情報のこと。お金の代わりに支払いができたり、投資の対象にもなったりする。代表的な暗号資産に、ビットコインやイーサリアムなど。
●電子マネー(○○ペイ、モバイル〇〇など)
個別相談がほとんど。残金の返金に応じてくれるケースが多いが、長期間利用がない場合は失効する場合もある。
●航空会社などのマイレージ
手続きの期限が死亡後6カ月以内などと設けられている会社もあるが、そもそもマイレージの有効期限内に行う必要がある。
●各種ポイント
クレジットカード、量販店、通販サイトなどでたまるポイントは原則相続できない。中には、家族間カードなら移行できるものやポイントの利用が可能な会社もある。解約・放置したらポイントはなくなるため、ためるよりもこまめに使ってしまうほうがよい。
なお、電子マネーやポイントの規約は改訂されることがあります。最新情報を確認のうえ手続きをしてください。
明石 久美
相続・終活コンサルタント/行政書士