終活の一環として「エンディングノート」を書く人が増えています。ただし、エンディングノートは「家族間の不仲の火種」となる危険性もあるため、要注意です。そこで、著書『1000人の「そこが知りたい!」を集めました 人に迷惑をかけない終活』(オレンジページ)より、エンディングノートに書くべき項目と書いてはいけない項目をそれぞれみていきましょう。行政書士で相続・終活コンサルタントの明石久美氏が解説します。
財産の詳細はNG…エンディングノートに「書くべき11項目」と「書いてはいけない10項目」一覧【終活コンサルタントが警告】
エンディングノートに書いてはいけない「10」の項目
エンディングノートには、わざわざ記載しないほうがよい項目があります。
①家族の精神的・金銭的負担や、もめごとの原因になるので記載を避ける
介護する人・場所
医療・介護費をどこから出すか
葬儀の具体的なスタイル(葬儀で重視したいことだけを伝え、細かいやり方は葬儀を執り行う人に任せる)
喪主の指名
香典の扱い方/財産管理を任せたい人
残高など財産の詳細/財産の分け方(遺言書で作成するもののため)
形見分けのしかた など
②セキュリティリスクの観点から記載を避ける
クレジットカードの詳細(カード会社はわかるようにしておく)
通帳・銀行印の保管場所・暗証番号
スマホやPCのパスワード(エンディングノートには記載場所のヒントだけ記入し、別の場所に記載する)など
自分も家族も納得のノートにするには、「会話しながら」つくる
エンディングノートには法的効力はありません。できるだけ家族が困らないよう必要な情報のみに絞って記載をすることは前述の通りです。
それでも可能な限り自分自身の思いを届け、家族にも負担をかけたくない。両者の思いを大切にしたい場合は、家族と直接会話を重ねながらノートを埋めてみてください。お互いの気持ちや結論に至った背景・理由なども共有できれば双方ともに納得しやすくなります。
また、エンディングノートを定期的に見直すことも大切です。今後の人生において価値観や考え方が変わることは十分にあり得ます。大晦日や元旦、誕生日を見直す日に設定しておき、1年を振り返りながら改めて未来を見据えてみてください。
あなたに万一のことがあったときに備え、家族にエンディングノートの保管場所を伝えておくことも忘れずに。
明石 久美
相続・終活コンサルタント/行政書士