「人生のピークは18歳。東大に合格したとき」という、しんめいP。32歳で無職になり、離婚して、実家のふとんに一生入ってると思われた彼が自身の“虚無感”をなんとかしようとしてたどり着いたのが「東洋哲学」でした。そんなしんめいPによる著書『自分とか、ないから。教養としての東洋哲学』(サンクチュアリ出版/監修・鎌田 東二)から、東洋哲学の哲学者を紹介します。第3回目は、老荘思想に登場する「道(タオ)」を活用した「婚活」に勝つ方法についての考察です。
婚活という〈戦場〉で一度は目にする「めっちゃフツーなのに、なぜかうまくいく人」の正体は? 老子の「道(タオ)」から学ぶ婚活術
老子の「勝つ」という概念を体現した「婚活タオイスト」
バーチャル・リアリティからぬけだして、ありのままをみている。
相手に「上」や「下」のレッテルをはらない。
「下」に高圧的になることもないし、「上」にぎこちない態度になってしまうこともない。
自分がVRメガネをはずしているから、相手も心をゆるして、VRメガネをはずす。そこは「道(タオ)」のパワーがはたらく場所である。
いい感じにならないわけがない。
バーチャルリアリティからぬけだせば、「スペック」は幻としてきえる。
そもそも、みんな婚活の「戦場」に参加している。
出会う相手のほとんどは「戦いにつかれた戦士」たちだ。
相手と競いあうより、「海」のように受けいれるほうが、絶対モテる。
結果的に、まわりからみれば高い「スペック」の人をゲットする。
でも、本人にはその自覚すらない。
「為して而も恃まず。」
老子 「道徳経」 51章
――偉大なことをなすが、それを誇ることはない。
まわりからみれば「勝った」のだが、本人には「勝った」意識すらない。
老子の「勝つ」とは、そんな感じなのだ。
これが「めっちゃフツーなのに、なぜかうまくいく人」の正体だと思う。