海外の投資家も注目「美術品・骨とう品・金」は適切に保管

美術品・骨とう品・金などがあれば複数の専門買取業者に鑑定をしてもらい、相場を確かめておきましょう。今後、値上がりする可能性が高いものは付属品や鑑定書とともに適切な環境下で保管しておけば、将来さらに値上がりすることもあるかもしれません。日本の価値ある美術品や骨とう品は、海外の投資家からも注目されています。

金は世界情勢の不安などを背景に価格が上昇し続けていて、今後も長期的な値上がりが見込める資産として人気があります。

ただし、本人が収集したものは、相続人にとって不要なものになる場合があります。押し付けにならないよう、家族と話をしたうえでどうするか決めることも大切です。

費用も税金もかかる…「不動産」の売却・所有は慎重に判断を

家・土地といった金銭的な価値のある財産は今のうちに売ってしまうか、そのまま保有して相続財産にするべきか迷うものです。それぞれ、今使っていない・今後使う予定がないならば売ってしまうことを視野に入れておきましょう。
※ 不動産売却の注意点……不動産を売却するときは、不動産の名義人と売主を事前に一致させておかなくてはいけない。放置されている空き家など、すでに名義人が死亡している場合は特に注意。

ただし、不動産の売却は費用も税金もかかるため、慎重に決める必要があります。

不動産はあなたが亡くなったあと、そのまま所有するにしても売却するにしても、相続をする人へ名義変更をしなければなりません。手続きをするには、これまでの相続人、相続人が死亡している場合はその代わりとなる子どもや孫といった代襲相続人全員の戸籍謄本や印鑑登録証明書など多数の書類を用意する必要があります。

生前整理は「捨てすぎ」に注意

不用品は今のうちになるべく片づけてさっぱりさせておくと、残された家族の片づけの負担は軽くすみます。ただ、あなたが「いらないもの」と判断してどんどん捨ててしまって、死後あなたのものが何もないような状態だと、家族はいつまでも悲しみから立ち直れないかもしれません。

あなたにとって「いらないもの」でも家族にとっては何物にも代えがたい大切な思い出の品になるものはたくさんあります。

また、あなたが生前誰にも言わずにものを捨ててしまい、亡くなったあとで親族が「高級な着物があったはず」「高く売れるアクセサリーがない」などと騒ぐような事態は避けたいものです。

できれば、体も記憶も元気なうちに家族と一緒にモノの整理ができるとよいでしょう。モノと一緒に過去を振り返りながら、これまでの思いを語り継げる時間にできれば理想的です。

明石 久美
相続・終活コンサルタント/行政書士