一級建築士で模様替えアドバイザーのしかまのりこ氏いわく、「狭くて動きにくい部屋」には共通点があるそうです。それは、部屋の真ん中に“あるもの”が置かれていること。その“あるもの”とはいったいなんなのか、しかまのりこ氏の著書『狭い部屋でも快適に暮らすための家具配置のルール』(彩図社)より、具体的にみていきましょう。
【実例】捨てられない思い出のソファで、部屋が窮屈に感じる
[図表1]は都心マンションのLDKです。「捨てられない思い出のソファを置いていますが、部屋が窮屈に感じます」、というお悩みでした。
リビング・ダイニングの広さ10畳に対し、お持ちのソファが幅190センチ、奥行90センチと、すこし大きめのサイズです。そのソファを[図表2]のようにリビング・ダイニングの真ん中に設置していらっしゃいました。
そのため、キッチンやダイニングからリビングに移動する動線が、ソファとぶつかってしまいます。部屋の中心にソファがあるため、部屋のどこにいても、まずソファが視界に入ってしまいます。
ソファの存在感・圧迫感が強調されるため、せっかくのインテリアや窓からの景色がぼやけてしまい、部屋が実際より狭く感じられてしまいます。
ソファは視線に入りづらい壁面に移動することで“広見え”
そこで部屋を広くみせるためにソファの間違ったレイアウトを変更します。
まずソファを部屋の中心から、視線に入りにくく、また動線を遮らない壁面に移動します。ソファに合わせて、テレビはソファに対して平行に設置しなおします。
ソファにより分断されていたリビングとダイニングが、ソファを壁に寄せたことでスムーズにつながり、動きやすくなりました。
また[図表4]のように、部屋の中心部に視界の抜け感ができたことで、部屋が広く見えるようになりました。
大きめの家具を部屋の中心部に置かないだけで、部屋が動きやすく、スッキリ広く見えるという効果が期待できます。
しかま のりこ
COLLINO一級建築士事務所
一級建築士/模様替えアドバイザー