一級建築士で模様替えアドバイザーのしかまのりこ氏いわく、「狭くて動きにくい部屋」には共通点があるそうです。それは、部屋の真ん中に“あるもの”が置かれていること。その“あるもの”とはいったいなんなのか、しかまのりこ氏の著書『狭い部屋でも快適に暮らすための家具配置のルール』(彩図社)より、具体的にみていきましょう。
部屋の真ん中に決して置いてはいけない“あるもの”
部屋が狭く、動きにくいという悩みを訴える方の部屋を拝見してみると、ソファなどの大きめの家具を、部屋の真ん中に置いてしまっている場合が多くありますが、この配置は部屋を広く見せたいなら避けるべきです。
部屋を移動する際に、動線同士がぶつかったり、または家具などの障害物にぶつかると、当然ですがとても不便です。とくに、広くない部屋の真ん中にソファなどの大きな家具を置くと、部屋の中を移動する動線がソファにぶつかります。
スムーズに部屋を動くためには、毎回、このソファを避けて移動しなくてはなりません。そのため、大変ストレスフルで動きづらい部屋に感じてしまうのです。
しかし、部屋が狭く感じられてしまう原因は、動線だけではありません。実はもう1つ、大きな原因があるのです。
部屋の真ん中は、”抜け感”をもたせる
部屋に入り、まず目に入る場所は部屋の中心部分です。この中心部分に大きめのソファが置いてあると、視線が自然とそこに集まってしまうため、視覚的に圧迫感を抱いてしまいます。
さらに、部屋のインテリアや窓から広がる風景の印象も薄らいでしまい、ソファの存在感が増し、より圧迫感を抱いてしまうため、実際より部屋が狭く感じてしまうのです。このことから、部屋を広く見せるには、部屋の中心部分に、視線の抜け感をもたせることが大切なのです。
ソファなどの大きめの家具は、壁に寄せるのが基本
このように部屋を動きやすく広く見せるためには、スムーズな動線の確保と、視線の抜け感が大切になってきます。
そのためには、ソファなどの大きめの家具は、動線がぶつかりやすく、また視界が遮られやすい部屋の真ん中には置かずに、壁ぎわなど、部屋の端に寄せることが基本となります。
部屋を動きやすく広く見せるための方法を、解決例で詳しく見ていきましょう。