「どこでも寝られる人」がCAに向いている理由

「フライトアテンダントの3大病」というのがあります。「腰痛」「不眠」、そしてもうひとつは、人によって言うことが異なるのですが、腰痛と不眠に関しては確実にツートップです。また、風邪や花粉症の時に乗務してしまうと航空性中耳炎という一度なるとやっかいな病気にもなりやすいです。

フライトアテンダントは空の上が仕事場で、北米の場合は国内線でも時差があるため、自律神経が乱れがちな職業です。自律神経のバランスが不安定になると、寝つきが悪かったり、眠りが浅かったり、睡眠の質が低下しやすいといわれています。

このことからも、この仕事に向いているのは、実はどこででも寝られる人だと私は思っています。どこででも寝られる人は、環境が変わっても別に関係なく、細かいこともいちいち気になりません。ある意味、鈍感力の極みです。仕事ができるかどうかはまた別の話ですが、そういう人のほうがストレスやプレッシャーを受け流すことができるはずですし、仕事も長続きするのではないかと思います。

ちょっと話がそれますが、フライトアテンダントが学生時代にしていたアルバイトでダントツの1位に違いない!というくらいに多いのが、スターバックスです。これは日本だけでなく、海外の航空会社もそう。日本人だと、海外志向の強い人はスタバで働く傾向も強いのではないかと思います。

スタバには、決まった接客マニュアルがあるわけではなく、スタッフ(スタバでは従業員のことを〝パートナー〞と呼びます)がお客様と自由に会話をして、積極的にコミュニケーションをとることを大切にしています。そうしたやりとりは、社会人になったときにとても生きてくる気がします。

私も大学時代に日本のスタバで働いていました。カナダ留学中には、アポなしでスタバへ突撃し、「無給でいいので働かせてください!」とお願いしたこともあります。ただ、当時は学生ビザで入国していたので、無給でいいと言っても、何かあったときに保障できないという理由で断られました。

あきらめきれず、その後、ローカルの小さなカフェで、ボランティアという形でバリスタを経験させていただきました。ちなみにこの話、私の就職活動の面接の鉄板エピソードでした。

それにフライトアテンダントは本当にスタバ好き! 北米の航空会社のフライトアテンダントは、大体スタバを飲んでいます。

今でこそ買わなくなりましたが、私も、別に飲みたいわけでもないのにスタバを飲んでいた時期がありました。仕事前に必ず空港のスタバに寄って、カップを片手にゲートにショーアップするのがお決まりです。

深夜便に乗務の際、ステイ先のホテルや空港のスタバが既に閉まっているときには、「空港からホテルに向かう道中で、まだ開いてるスタバがあったら寄って!」とクルーシャトルの運転手さんにお願いするパイロットやフライトアテンダントもいるほどです。

Ryucrew
現役CA(キャビンアテンダント)