ストレス回避の方法

心配や不安といったことは、からだや心に負担をかけます。それをストレスと一般的には呼んでいます。ストレスは生きている限りなくなることはありません。私たちはストレスとうまくつきあっていくしかないのです。心的外傷後ストレス症候群(PTSD)で海馬が障害を受けることは前述しました。

うつ病でも重症になってくると、海馬が障害され、治ってくると海馬の神経細胞が新生されることがわかっています。いかに脳がストレスの影響を受けるかわかります。楽観的で前向きな性格の人に認知症が少ないのは、ストレス回避が上手で、脳のストレス負担を減らせるからです。


一方で、軽度のストレスはむしろ脳を活性化させることができるメリットもあります。つまり、仕事の締め切りがあるから、がんばろうとしますから、いつも以上の能力を発揮することができます。つまり、ストレスをうまく利用していけば、脳は活性化していくはずです。


それには、達成可能な目標設定が必要になります。あまりその目標が高ければストレスになりますし、低すぎれば、意欲がなくなってしまいます。つまり仕事ができる人は、その目標設定が上手なのです。脳にとって悪いストレスというのは、長く続くストレスです。自分で解決できない問題、例えば職場にいやな上司がいるというような場合は、なかなか短期間に解決する方法がありません。


持続するストレスこそが、脳をだめにしていくのです。決断が下せない状態が長引くことが、脳への負担を増やすことにもなります。早く決断して答えを出すことが、ストレス回避の第一歩です。自分でどうにもならなければ、やはり友人、第三者など外からの力を借りるべきでしょう。そうすることをためらってはいけないのです。


ストレスをむしろうまく利用していくことが重要なのです。つまり、どうして自分だけこんなことになるのだと思うのではなく、それには何か理由があるからこうなったのだと問題解決に思考していくべきなのです。それも、ストレスを乗り越えるひとつの方法なのです。