高齢の「おひとりさま」にとって、財産の管理方法はとても重要です。とくに、認知症になる前にしておいたほうがいい財産管理方法が5つある、と一般社団法人日本ホームステージング協会 代表理事の杉之原冨士子氏はいいます。杉之原氏の著書『おひとりさま最後の片づけ やるべきこと・やらなくてもいいこと』より、詳しくみていきましょう。
認知症と診断されてすぐ口座凍結されるわけではない
認知症になると、銀行口座が凍結されると聞いたことはありませんか? 口座名義人が亡くなった場合、口座が凍結されることはご存知の方が多いと思いますが、認知症になり、判断能力が低下した場合にも口座が凍結されます。
具体的には、預貯金の引き出しや入金、定期預金の解約や契約の変更などができなくなります。これは、判断能力の低下によって、詐欺や口座の不正使用などの犯罪に巻き込まれ、不利益をこうむることがないようにするためです。
口座は、認知症と診断されたからといって、すぐに凍結されるわけではありません。凍結のタイミングは銀行によりますが、口座名義人が認知症であることを銀行が把握し、判断能力が著しく低下している場合に、凍結の処置がされることが多いようです。
認知症になって口座が凍結されたら、医療費や介護費、生活費に使おうと銀行に預けていたお金が使えなくなります。それを未然に防ぐには、どんな対策があるのでしょうか。