医師から「できるだけ安静に」と言われると、なるべくベッドから動かないようにする人は多いでしょう。しかし誤った「安静」は恐ろしい結果を引き起こす可能性があるようで……。本記事では、リタポンテ株式会社取締役であり理学療法士の上村理絵氏による著書『こうして、人は老いていく 衰えていく体との上手なつきあい方』(アスコム)から、安静のリスクについて解説します。
医師の「安静にして」に潜む罠。80歳妻が脚を骨折、夫「僕がやるから寝てて」…思いやる気持ちが、辛すぎる結果へ【理学療法士が解説】
「安静に」で、度を越えた手助けをしないように
身近な人が骨折をしたり、何らかの障害を抱えたりすれば、手助けしようとするのはごく自然なことです。しかも、医師から「安静に」と言われたのなら、なおさらです。
ただ、あまりに過敏に反応しすぎで、先回りして、本人に頼まれていないことにまで手を出すのは、できるだけ控えてください。度を越えた手助けは、その人が改善するのを妨げ、場合によっては寝たきりにつながらないとも限りません。
「安静に」と言われたら、寝たきりを防ぐためにも、できるだけ早く体を動かしたい旨をしっかりと医師に伝え、どれぐらいの期間安静にしなくてはならないのか、どういうことならやってもよいのかを確認しましょう。
そして、その答えがあまりにも長期間である場合には、セカンドオピニオンとしてほかの医師の意見を聞くのも選択の1つです。
上村 理絵
理学療法士
リタポンテ株式会社 取締役