身内が亡くなると、悲しむ間もなく、葬儀をはじめ、たくさんの「やらなくてはならないこと」があります。諸手続きや必要書類の入手は複雑なことも多く、いざというときに戸惑うケースも少なくありません。相続実務士の曽根恵子氏の著書『身内が亡くなった後の手続きがすべてわかる本』(扶桑社)より、死亡届の提出から葬儀までの流れについて、詳しく見ていきましょう。
〈死亡保険金の請求〉にも関わる重要事項…身内が亡くなったら、「死亡届」と「死亡診断書」を役所に提出する前に“必ずやるべきこと”【相続実務士の助言】
火葬許可申請書を提出する
遺体の火葬と納骨のためには火葬許可証が必要です。埋葬に必要な埋葬許可証とともに確認しましょう。
●死亡届
入手先:医師から
●死亡診断書
入手先:医師から
●火葬許可申請書
入手先:市区町村役所から
火葬許可証の提出は事前に受付時間を確認
火葬許可申請書は、遺体を火葬し、埋葬・納骨するために必要となる書類で、通常は死亡届とともに提出します。申請用紙は、通常、市区町村役所の窓口やウェブサイトから入手可能です。
この申請書を提出すると、その場で火葬許可証が発行されます。近年の葬儀では、告別式と同日に火葬を行うことが多いため、許可証の取得は必ず告別式までにすませておきましょう。
通常、死亡届は24時間受けつけていますが、市区町村役所によっては火葬許可申請書と許可証の交付を夜間に受けつけていない場合があります。そのため提出する際は、事前に受付時間を調べたうえで、できるだけ早めに申請するようにしましょう。なお、何らかの理由で遺族が火葬許可証を取得することが難しい場合は、葬儀社に取得代行を依頼することもできます。
火葬許可証は返却後に埋葬許可証になる
遺体を火葬する際には、交付された火葬許可証を火葬場の管理事務所に提出しなくてはなりません。火葬と遺骨を骨壺に納める納骨が終わったあとに、骨壺とともに火葬ずみの押印が入った火葬許可証が返却されます。この押印の入った許可証が埋葬許可証となります。火葬場によっては返却時に骨壺を納める箱の中に入れて渡されることもあるので確認しておきましょう。遺骨は、ほとんどの場合、四十九日の忌明けの法要とあわせてお墓に納められます。
葬儀の日から、四十九日までしばらく時間があくことになるので、その間、埋葬許可証を紛失することがないよう、大切に保管しておく必要があります。万が一、紛失してしまったときは、火葬申請書を発行してもらった窓口で再発行の申請をします。
なお墓地、埋葬等に関する法律第3条で、遺体は死後24時間を経過したあとでなければ火葬してはいけないと定められています。
この規定は死者が蘇生することを考慮したものとなっています。そのため、法律上、死亡してから24時間後でなければ火葬することができません。