卵を食べすぎると血中コレステロールが上がる?

「卵は血中コレステロールの数値を上げる原因になるから、食べすぎに気をつけたほうがいい」。この話、どこかで聞いたことがありますよね。

食品中のコレステロールは主に鶏卵や魚の卵に多く含まれますが、2015年に国のガイドラインが改訂されるまでは、摂りすぎによって血中コレステロール値に悪影響があると考えられていたため、食品からのコレステロール摂取の1日の上限は男性750mg、女性600mg、脂質異常症の場合は300mgまでという基準がありました。

普通サイズの卵1個に200mg程度のコレステロールが含まれているため、血中コレステロールが高い場合は「卵の食べすぎに注意」と言われ続けていたのです。

ところが研究が進むうちに、食品中のコレステロールが血中のコレステロールに与える影響は以前考えられていたほど大きくないことが明らかになりました。現在は、食品から摂取するコレステロールよりも、体内で生成されるコレステロールの方が血中コレステロールに大きな影響を与えると考えられています。

たんぱく質が摂れる卵は1日1~2個まで

なかでも、悪玉コレステロールであるLDLコレステロール値を上げる原因になる飽和脂肪酸の摂り過ぎの影響が大きいという考え方に変わっています。

卵はビタミンCと食物繊維、炭水化物以外の栄養素をすべて含む栄養豊富な万能食品です。手軽に摂れるたんぱく質食材でもあり、不足がちなビタミンAの供給源になります。もともと日本人は卵が好きな人が多いですが、目玉焼きやオムレツなど、朝食だけでも手軽なレシピが多くあります。

とはいえ動物性食品ですから、好きなだけ食べていいわけではありません。1日1~2個程度を目安にするとよいでしょう。

道江 美貴子

管理栄養士

(株)asken取締役