紅茶が好きだけれどカフェインが気になるという人も少なくないのでは? そこで本稿では、長年日本紅茶協会の常任理事・紅茶鑑定士の田中哲氏による著書『おいしい紅茶を飲みたい人へ』(主婦の友社)から一部抜粋して、紅茶に含まれるカフェインについて解説します。
Q.紅茶に含まれるカフェインについて教えてください。
A.利尿作用や覚醒作用があり、紅茶の茶葉には、重量あたり約3%含まれています。
カフェインには、利尿作用や覚醒作用などがあり、最近の研究では、紅茶やお茶に含まれるテアニンというお茶特有のアミノ酸との相互作用で集中力が高まるといったプラスの効果も認められてきています。
一方で、あまり大量に摂取し続けると中毒になる可能性があるといわれ、「安全な摂取量の範囲はどのくらいまでなのでしょうか?」「毎日飲んでも問題ない紅茶の杯数は何杯なのでしょうか?」という質問をよく受けます。
紅茶の茶葉には、重量あたり約3%のカフェインが含まれています。カフェインは熱湯にとけやすいので、飲用時の紅茶液にも含まれているのです。
紅茶の浸出液100gあたりに含まれるカフェイン量は30mg。対して、コーヒーは60mg、煎茶(緑茶)は20mgです。つまり、1杯あたりで比較すると、紅茶に含まれるカフェイン量は、コーヒーの約半分になります(八訂版日本食品標準成分表より)。
紅茶好きのかたで一日3回2杯ずつ、合計6杯飲むとすれば、一日の飲用量は150ml×6杯で900mlです。紅茶の浸出液100gあたりのカフェイン量は30㎎ですので、たっぷり6杯分900㎖の紅茶には30×9=270㎎のカフェインが含まれていることになります。
健康に悪影響のないカフェインの摂取量の目安としては、次のデータ(欧州食品安全機関(EFSA)カナダ保健省など)があります。
・成人の場合、400mg/日
・妊婦の場合、200~300mg/日
なお、子どもについては体重1kgあたり2.5~3.0mgになっているので、体重20kgの場合、50~60mgとなり一日2杯くらいはOKです。実際に、イギリスなどの紅茶好きの国々では、子どもの頃から紅茶をたくさん飲んで育ったという人はごくふつうにいるのです。