紅茶が好きだけれどカフェインが気になるという人も少なくないのでは? そこで本稿では、長年日本紅茶協会の常任理事・紅茶鑑定士の田中哲氏による著書『おいしい紅茶を飲みたい人へ』(主婦の友社)から一部抜粋して、紅茶に含まれるカフェインについて解説します。
Q.カフェインレスの紅茶は、ふつうの紅茶と味は違うんですか?
A.ふつうの紅茶より、味と香りがややおとなしくなっているようです。
カフェインレスの紅茶は、ふつうの紅茶を原料として、カフェイン除去の工程を経てつくられます。現在最も多く用いられているカフェイン除去方法は、「超臨界炭酸ガス抽出法」と呼ばれる方法です。この方法は人体には無害で安全な炭酸ガス(二酸化炭素CO2)を高圧の超臨界状態(液体と気体の中間の臨界状態。CO2の臨界温度は31℃)にして紅茶をいれ、紅茶からカフェインを抽出して除去します。その際にカフェイン以外の少量の天然成分がいっしょに抜けてしまうと考えられ、カフェイン除去前の紅茶とくらべるとややおとなしい香味になるようです。
ただし、アールグレイなどのように香料で香りをつけた製品の場合は、違いが感じにくくなっています。
ちなみに、「ノンカフェイン」というのは、もともとカフェインが入っていないもので、麦茶、ルイボスティー、ハーブティーなどを指します。
田中 哲
日本紅茶協会名誉顧問
紅茶鑑定士