iX+(イクタス)』からの転載記事です。
※本稿は、テック系メディアサイト『ニューロミュージックとは?
ニューロミュージックとは、これを聴くことで脳へなにかしらの作用が期待できると科学的に実証された音楽のことです。具体的には「集中力の向上」や「リラクゼーション効果」など目的とする効用に合わせて、脳波の任意の帯域を増強あるいは減衰するようにデザインされています。
実際に人間に聴かせて脳に影響があるかどうかを脳波計で測定し、効果が確認できた楽曲のみをニューロミュージックと呼びます。
攻殻機動隊とのコラボも…VIE株式会社のニューロミュージック研究開発
こうしたニューロミュージックの研究開発を続けていたVIE株式会社は、2023年にニューロミュージック専用アプリとして「VIE Tunes」をローンチしました。VIE Tunesとは、ニューロミュージックによって脳に刺激を与えることで、自分の理想とする脳の状態に導く手助けをしてくれるアプリです。
アプリ内には「ゾーン(超集中)」「フォーカス(集中)」「リラックス」「チル」「スリープ(熟睡)」の効用を持つ5種類のニューロミュージックが用意されています。ユーザーは最初に好きなアーティストのニューロミュージックを選択し、5種類のモードからいまの自分の状態となりたい状態を設定。あとは設定した状態に向けて、ニューロミュージックが最適な脳状態へと導いてくれます。
さらにVIE Tunesは、ユーザーがより「気持ちよさ」を体感できるようにUI※1やUX※2にもこだわっています。
たとえば選曲画面では、ゾーン(超集中)からスリープ(熟睡)までの5つの効能を緩やかな曲線上に配置し、いまの自分の状態からなりたい状態へとスライダーを描くように設定する感覚的な操作が実現されています。
リラックスしている状態から「一気に集中したい」というような突発的な感情を、リラックス、フォーカス(集中)、ゾーンと緩やかな曲線を描くことで、自然な流れとしてイメージできる工夫が施されています。
また、VIE株式会社ではイヤホン型脳波計を使用してユーザーの脳波の計測を可能とした「VIE Tunes Pro」も提供しています。ユーザーは脳波を計測できる高品質のBluetoothイヤホンを装着して、アプリを起動。あとは音楽を聴いているだけで、脳の集中度やリラックス度などの状態をリアルタイムで解析、記録、スコア化してくれます。
このとき最高に集中できた状態や最高にリラックスできた状態の脳波を記録することで、ユーザー個人に特化した最適なAIモデルを作成。作成したAIモデルに合わせて、ユーザーの脳を最適な状態へと誘導します。
脳波を測定する専用イヤホンのサイズは、約23×16×7cm、重さは約210g。ワイヤレスイヤホンの重さは両耳で12グラム程度ですが、ヘッドホンの場合は、250グラム程度が一般的であるため、日常生活で使用する場合にも支障がないようになっています。防水性能も搭載しているため、サウナ後の外気浴やトレーニングの場面など外出先での使用も推奨されています。
商業化も着々と進んでおり、昨年末には士郎正宗原作でNetflixにて世界独占配信中の人気アニメ「攻殻機動隊 SAC_2045」とのコラボを実現しました。VIE TunesやVIE Tunes Proで攻殻機動隊 SAC_2045 OSTの楽曲計5曲を視聴できるほか、本作をイメージしたオリジナルデザインのイヤホン型脳波計を発売しています。
最先端脳科学とAIを融合させたニューロミュージックは、電脳化した人間やサイボーグ、アンドロイドなどが混在する社会を舞台にした攻殻機動隊の世界観にうまくマッチしたコラボとして話題を呼びました。
※1 UI:User Interface(ユーザインターフェース)の略で、ユーザーとコンピュータとが情報をやり取りする際に接する、機器やソフトウェアの操作画面や操作方法。
※2 UX:User Experience(ユーザーエクスペリエンス)の略で、ユーザーが商品やサービスを通じて得られる体験のこと。