お金持ちは「スマホではなく、筆記でメモをとる」と、元・経営コンサルタントであり、現在は長福寿寺 第56代住職である今井長秀氏はいいます。日々、多大な情報を見聞きする現代で、「自分の手で書く」「本を読む」ことは、お金持ちにとってどのような意味を持つのでしょうか。今井住職の著書『金持ちの生活に真似ぶ』(文友舎)より、「頭の中のアイデアを種銭に変える」メモ・読書のコツを紹介します。
寝室にはメモ帳を常備している
睡眠の直前はリラックスタイム。精神的に解放されると、アイデアが浮かぶことが多いらしく、知り合いの経営者は皆、寝室に必ずメモ帳を置いているそうです。彼らは本当によく文字を書きます。書いて、覚えて、動く。これが1セットです。
私はといえば、寝室のほかにトイレ(ある意味、最大のリラックススペースです)にもメモ帳を置いています。本当はお風呂に入っているときに一番アイデアが出やすいらしいのですが、風呂場でメモは書けないので、ここはあきらめました。もちろん、常に法衣の袖にメモ帳を入れて、ちょっとした情報も逃しません。
スマホのメモ帳機能もありますが、やはり一度は書かないと落ち着かない。こればかりは昭和生まれの性といったところでしょうか。
会社員だった頃も、メモを取らない日はありませんでした。
全国の経営者を集めた交流会でも、若造に百戦錬磨の大企業の社長が振り向いてくれるはずがない。ならば自分が得意としている、『明・元・素』(「明るく」「元気で」「素直」の意。ヒューマンウェア研究所の清水英雄氏が提唱)でいこうと、メモ帳を片手にひたすらニコニコしながら、経営陣の話を聞いて回りました。立食式のパーティーでしたが、食べたら負け。とにかく1枚でも多く名刺を配って、新しい人の話を聞く。
若造でしたけれど、ペンとメモ帳を持ってカリカリやっていると、経営陣がかわいがってくれたことを思い出します。
今は名刺交換さえもデジタル化していると聞きます。交流が簡素化されていくのは、進化でもありますから咎められるものではありません。ただ頭の中で考えたアイデアが種銭へと変わっていくことは変わりません。それを漏らさないように、騙されたと思って、枕元にメモ帳を置いてみてください。
スマホのメモ帳ではありません。筆記で自分の脳内に記録をしてください。