二次会には不参加

年商が上がれば上がるほど、経営者は二次会には参加しません。一次会はコミュニケーションの場ですから、必ず参加します。でも二次会は

「もうちょっと飲もうぜ!」

というのが趣旨で、特に目的はないからです。酔いがまわって、最終的にグデングデンになってしまうようなら、せっかく一次会で結んだ縁すら消えていってしまうかもしれません。手にした一杯が誰かを幸せにするのか、あるいはただの自己満足なのか、そこを考えてほしいと思います。

もちろん修行ではないので、飲むなとは申しません。長福寿寺のあり方は、大乗仏教の経典の1つである『維摩経(ゆいまきょう)』がベースになっています。その主人公である維摩居士さんは僧侶ではなく商人で、酒場にもキャバクラにも行きます。でもそこで飲んで帰るだけで終わらずに、その場にいる人々を上手に仏門の教えへと導く。頭ごなしのお説教には耳を貸さない人も、酒場で打ち解け合った仲ならば、言葉に耳を傾けます。

我々も同様で、寺にじっと座ったまま、

「みなさん、法話を聞きにいらっしゃい。お檀家さん、お布施をよろしくお願いいたします」

なんて言っていたら、誰も寄ってこないですし、寺の経営そのものが危ぶまれてしまいます。

お酒は誰のために飲むか?を考えるのが大事です。体質上、飲めない人もいますから、そういった方の場合は例外です。でも会食で、

「今、ダイエットをしていまして……」

と、自分の都合でお茶を飲んで静かにしているのもいかがなものでしょうか? それなら当日心ゆくまで楽しむために、普段の食事量をコントロールし、お酒を控えておく。どこかで帳尻を合わせればいいんです。

お酒は飲んでも呑まれない、そして翌日には絶対に残さない、で。もし残っていても、だるそうな雰囲気を見せるのは、ご法度です。