同じように働いていても、平均的な収入の人と、どんどん稼いで裕福になっていく人は、何が違うのでしょうか? お金持ちになれる人は、どうやら普段の生活習慣やマインドが一味違うようです。元・経営コンサルタントであり、現在は長福寿寺 第56代住職である今井長秀氏の著書『金持ちの生活に真似ぶ』(文友舎)より、すぐに真似できる“お金持ちの生活習慣”のアドバイスを見ていきましょう。
今井流・経済学と仏門のハイブリッド論
「今井、いいなあ、おまえは坊さんになるチャンスがあるなんて!」
「日本経営合理化協会」という、コンサルティング会社に勤務していた頃に先輩からかけられた言葉です。当時、実家の後を継ぐつもりのなかった私には、理解することができませんでした。ただこの10年後にこの言葉の重要性を知ることになります。
本当に簡単ではありますが、はじめに今井長秀についてお話をさせてください。当寺にいらしたことのある方はご存じかもしれませんが、長福寿寺は普通のお寺とは少し様子が違います。
千葉県長南町の片田舎、(これだけは胸を張った自慢ですが)広大な敷地の長福寿寺の境内には、いつもポップスやジャズが流れております。本堂の前には、寺のシンボルである「吉ゾウくん」と「結愛ちゃん」の、4メートル近い石像がそびえ立ち、参拝客のみなさんを迎えています。寺務所(お守り授与所)には、お守りや金運アップのために長福寿寺が考えたアイテムが、数多く並びます。小さなお子さんが遊べるような遊具も用意しました。
いわゆる“寺の静けさ”というものからはかけ離れた、テーマパークのような明るさをふんだんに漂わせた寺なのです。
そんな長福寿寺のことについて、
「金運ばかりにこだわって、お守りや御祈祷までしている。胡散臭くない?」
「由緒正しいお寺なのに、荘厳とした雰囲気もなく、不謹慎だ」
さまざまなご意見を日々、ちょうだいしております。ありがとうございます。
でもその胡散臭さの裏には、1人の経営者=私の生涯をかけた思いがあるのです。
約1200年前に、桓武天皇の勅願によって建立された長福寿寺。国内で勅願の上に建てられた寺は、50寺ほどしかありません。そのため、本堂には菊の御紋を掲げております。先代である私の父が住職を務めていた頃は、皇室の関係者なども参拝に来てくださいましたが、年間の参拝客数は1,000人ほど。境内に鐘の音が鳴り響く、由緒正しきお寺でした。