不要な人間関係を持たない

住職をしているとさまざまな相談を受けることがあります。もちろん、金運のことだけではございません。

中でも絶えることがない相談内容は、人間関係に関すること。みなさん、余分な人間関係を抱えすぎなのだとお察しします。悩むような人間関係とは、少し距離をおいてみたり、離れてください

お金持ちになりたい、金運を上げたいのでしたら、自分自身が疑問を感じるような人間関係は避けましょう。経営者たちは決して、悪友を持ちません。人が地位や名声を手に入れてから寄ってくるのは、

「金なんてなくても、人生どうにかなる。誰かが助けてくれる!」

というマインドのなんだか他力本願な人たちばかり。それまでの態度をコロッと変えてごますりをしてくる人や、疎遠だったにもかかわらず、急に友達呼ばわりをしてくる人も多いですね。悪い縁を結ぶとどうしても引きずられてしまうので、経営者は皆、悪友は持たないと口をそろえて言います

ほかに、血縁関係をまるで錦の御旗のようにして寄ってくる人もいるでしょう。スポーツ選手が金メダルを獲ると、急に親戚が増える現象と同じです。こんな関係性に対しても、答えは簡単で、会わなければいい。

「この人とは縁を持ちたくない」

適当にあしらっていれば、つながりは消えていきます。逆に、血縁としてあなたに無償の愛で接してくれるのなら、その関係は地位や名声に振り回されることはありません。きっと成功した後も、相手は変わらずにいてくれるはず。

「お金持ちは強いからできるかもしれないけれど、私たち庶民はいきなり関係性を切ることはできません」

そう言いたくなる気持ちも分かりますが、今、資産家と言われている人たちもかつては普通の人でした。世襲制で家業を継いだ2代目で、成功しているように見える人たちも、とんでもない努力を日々続けています。ですから上に上がるために余分な時間は割いていられません。必要な人間関係だけを残すのです。住まいと同じく、人間関係にも定期的な断捨離が必要です

残しておきたい関係は、自分が調子の良いときも悪いときも変わらないでいてくれて、高め合える存在です。調子が良いときは友達のように見えて、悪くなった途端に離れていく人もいますから、そこで判別はできます。私にも『お元氣さま会』のほかに、3人だけ親友と呼べる人がいます。そもそも私自身、親友は3人いれば良いという考え。その代わり、何をおいてもこの3人だけは絶対に裏切らないと決めています。

1日は24時間、1年は365日、フレキシブルに働ける年齢の上限は80歳と考えたら、ダラダラと人とつながっている場合ではないのです。

今井 長秀
長福寿寺 第56代住職