生命保険文化センター「生活保障に関する調査」によると、対象者の82.2%が自分の老後に「不安感あり」と回答しました。この不安を解消することは簡単ではありません。しかし、不安を軽減させるための第一歩として「現状を正しく知ること」は大切です。そこで今回、『死に方のダンドリ』(ポプラ新書)著者でデータサイエンティストの冨島佑允氏が、さまざまなデータを交えながら、日本の現状と将来を分析します。
65歳以上の世帯年収「332.9万円」→さらに「年金は6~8割まで減少」…日本人を待ち受ける“老後貧困”の恐怖【データサイエンティストが警告】
いまでも少ない年金がさらに減る!?衝撃のデータ
厚労省の「2019(令和元)年財政検証結果レポート」によると、現役時代の所得の何割を年金でカバーできるかを表した年金の所得代替率は、2019年時点では61.7%でした。2052年(令和34年)には、それが36(現状の61.7%の6割弱)〜52%(同8割程度)まで減少すると推定されています。
つまり、将来の年金は、今の高齢者が受け取っている水準の6〜8割に減ってしまうということです。
しかも、日本人の寿命は今もなお延び続けています。内閣府によると、1950年の日本人女性の平均寿命は62歳、男性は58歳でした。1990年には82歳、76歳になり、2021年には88歳、82歳になりました。内閣府の予測では、2040年には90歳、84歳になります(図表1)。
この30年間で日本人の平均寿命は6年も延び、65歳を迎えた女性の2人に1人、男性の場合は4人に1人が90歳まで生きることが予想されています。
高齢者の世帯年収はその他の世帯の「約半分」
実際のところ、高齢世帯は少ない収入でやりくりしている人が過半を占めています。内閣府の「令和5年版高齢社会白書」によると、高齢者世帯の平均所得金額は332.9万円で、高齢者世帯と母子世帯を除いたその他の世帯(689.5万円)の約半分です。
内閣府の「2019年度全国家計構造調査」によれば、65歳以上の単身者の3割は貧困状態にあります。つまり、一人暮らしの高齢者が3人集まると、そのうち1人は貧困に苦しんでいるという状況になります。
「こんなに苦しいんだから、国がなんとかしてくれるに違いない!」と思うかもしれません。
けれども、国はすでに高齢者を支え切れなくなっています。
令和5年版高齢社会白書によると、現在の65歳以上の人口は3,624万人で、日本における総人口の29%を占めています。実に、3人に1人が高齢者という状況です。