個別株投資より「ローリスクハイリターン」

いくら興味を持っていても、抽選に当たらなければ参加すらできないのがIPO投資です。せっせと応募し続けても落選ばかり、やっと当たったと思ったら公募割れという結果が続いて意気消沈していたころ、たまたまネットメディアで見かけたのが、個人投資家で人気ブロガーでもある弐億貯男さんのインタビュー記事でした。

弐億さんは会社員として働く兼業投資家です。投資にあまり時間をかけられない彼ですが、そのハンドルネームの通り、2億円の資産を40代で築くことに成功しました。それを実現した手法のひとつが、IPOセカンダリ投資だったのです。

IPOセカンダリ投資とは、上場した後のIPO銘柄を株式市場で買って投資する手法のことです。割安に設定された公開価格でIPO銘柄を手に入れるのは、前述の通り人気が高すぎて至難の業なのですが、セカンダリ投資なら抽選に当たらなくても、上場してから株式市場で買えばいいだけなのでだれでも手がけられます。

しかも、IPOでは、たとえ当選しても100株だけということも多いのですが、セカンダリ投資なら資金額が許せば好きなだけ買うことができます。手持ちの資金が少なくても、信用取引を使えば資金の約3倍の取引もできます。その分リスクは高まりますが、それを厭わなければチャンスは大きく広がるのです。

IPOセカンダリ投資に強い興味を感じた僕は、試しに3年前から直近までにIPOした銘柄をすべて洗い出し、上場後の値動きを調べてみました。

すると、まだ上場してから2~3年しか経っていないにもかかわらず、すでに株価が5倍ぐらいに成長している銘柄がいくつもあったのです。

たとえば2016年にIPOした銘柄の場合、アトラエ(6194)は2年で3倍以上になっていますし、セグエグループ(3968)は半年で2倍、ストライク(6196)も2年で3.6倍、フィル・カンパニー(3267)は1年で5倍近くまで上昇しています(いずれも分割考慮後)。

日本の株式市場には4,000近い企業が上場しています。そんなにたくさんある銘柄の中から、株価が何倍にも成長する銘柄を探すのは、忙しい自分にはかなり難しいのではないかと感じていました。

しかし、IPO銘柄であれば、年にせいぜい90〜100銘柄程度。季節的な偏りはあるものの、平均すれば毎月8銘柄前後です。それぐらいの企業数であれば、仕事と子育てに忙しい自分でもその成長性を見極めることができるのではないか。4000銘柄は無理でも、100銘柄の中から1年かけて大化け候補を探し出すのは、それほど難しくないと思ったのです。

何より、兼業投資家である弐億さんがIPOセカンダリ投資について、「さほど時間をかける必要がなく、通常の個別株投資に比較してローリスクハイリターン」と紹介しており、実際にこの手法で巨額の富を築いています。これまで多くの失敗を重ねてきた自分にとっても、IPOセカンダリ投資はトライしてみる価値は大きいと確信しました。



 

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