より早く資産形成したい場合の選択肢として挙げられる「個別株投資」。ハイリスク・ハイリターンの側面はあるものの、「リスクを低減する方法はある」と、投資研究家の児玉一希氏は言います。児玉氏の著書『株式投資2年生の教科書』より、詳しく見ていきましょう。
「より早い資産形成」を目指すなら〈個別株投資〉がおすすめだが…リスクヘッジのために必ず押さえておきたいこと【人気投資家YouTuberが解説】
「会社」より、成長が期待できそうな「業界」に投資
個別株投資にハイリスク・ハイリターンの側面があるのは否定しません。しかし、より早く資産形成したいのであれば、ある程度チャレンジする価値はあります。
ここでは大まかな私の投資スタンスについて理解していただければ幸いです。
【ポイント1】業界に成長性がある
大前提として、私は長期的に成長が期待できそうな「業界」に投資をします。会社単体を見る前に、もっと上空から全体を俯瞰するために業界を見るわけです。
例えば、今から
・マスメディアに投資をするとして、「新聞業界」と「Web業界」
・日用品メーカーでは「日本の子ども向け業界」と「同高齢者向け業界」
どちらが将来的に売上・利益が伸びそうでしょうか? 明らかに、どちらも後者(Web業界、高齢者向け業界)ですよね。
実際、衰退だといわれている会社の株価は長期では伸びないことがほとんど。株価は企業の利益成長に連動しますので、全体として追い風が吹いている業界に投資したほうが難易度は低いです。会社個別で見るよりも前に、もっと大きな括りである業界を見てふるいにかけて勝率を上げるわけです。
もしあなたがコロナ禍より前から株式投資をしていれば、デリバリーやオンライン通話企業の株価が大化けしたのをニュースで聞いたことがあるかもしれません。業界自体が成長していると、パイが拡大しているので競合企業同士でも一緒に成長することができます。この逆になると、パイの奪い合いで消耗戦になるということ。
ただし、業界の成長といっても「急成長」である必要はありません。多くの人が注目する急成長産業よりも、緩やかに拡大してこの先少なくとも10年、15年後も堅調な業界のほうが長期投資には向いていると思います。
電気自動車やAI、メタバースなど、急成長業界は話題が先行して株価が実態以上に高くつき、実際のビジネスが本格化する頃には上がりにくくなることもあるからです。