より早く資産形成したい場合の選択肢として挙げられる「個別株投資」。ハイリスク・ハイリターンの側面はあるものの、「リスクを低減する方法はある」と、投資研究家の児玉一希氏は言います。児玉氏の著書『株式投資2年生の教科書』より、詳しく見ていきましょう。
「より早い資産形成」を目指すなら〈個別株投資〉がおすすめだが…リスクヘッジのために必ず押さえておきたいこと【人気投資家YouTuberが解説】
「リスクの少ない」投資先の選び方
【ポイント2】高配当・増配株を選ぶ
私のメイン投資はやはり「高配当・増配株」であり、株式投資2年生にもお勧めしています。それにはいくつか理由があります。
■配当を出すほど稼げている
そもそも、企業は必ず配当を出す必要はありません。
まだ赤字のベンチャーやグロース企業(急成長が見込める企業のこと)は、儲けたお金を株主還元せず事業成長にフル投資します。事業投資は企業の規模にかかわらず行われますが、それに加えて毎年配当を安定して出している会社は、「事業としても安定して稼げている=長期で株価が安定しやすい」といえます。
■増配するほど利益成長している
さらに、毎年増配している企業も注目です。増配とは、配当金を前年実績より増やすことを指します。
配当金の原資は会社の利益ですが、前年より配当を増やすということは、普通は利益も増えていないとおかしいですし、長く続きません。
ごく一握りではありますが、配当金も利益も毎年成長している会社があります。長期間利益成長していれば、保有期間が長いほど配当金が増え、株価も上昇トレンドを形成しやすいです。
■業界で一定シェアを持っている
一言でいってしまうと、王道の有名大企業の株を買いましょうということです。
大企業というと成長性がなさそうに思われますが、そんなことはなく、世界に通用する企業が日本にも多数存在します。
もはや「日本の大企業=グローバル企業」なので、豊富なリソースを活用してM&Aを行ったり海外で事業展開したりと、年々拡大しています。
また、国内の通信3社、電力会社、米国のアマゾンやグーグルのように、インフラとしてなくてはならない存在になると、そう簡単に事業が脅かされることはありません。
長期で利益が安定し、キャッシュも潤沢なのでまず倒産などの心配も小さいです。
■配当目的の買いが入り底堅い(株価が下がりそうで下がらない状態)
株式市場が暴落した時こそ、高配当株はインカム目的の買いが入るため下落幅が抑えられ、安定しやすい傾向にあります。長期保有をしているとどうしても暴落期に遭ってしまいますが、それでも下がりにくく安心して保有を続けられます。