厚生労働省によると、男性の平均寿命は81.05年、女の平均寿命は87.09年(令和4年簡易生命表より)とされています。こうしたなか、『50代 お金の不安がなくなる副業術』(エムディエヌコーポレーション)著者の大杉潤氏は、妻の基礎年金を「理論最高値」にすることを最優先に考えるべきといいます。では、具体的にどうすればいいのか、詳しくみていきましょう。
妻の基礎年金額が〈月6.6万円〉から〈月12.2万円〉にアップ…年金受給額を「理論最高値」まで高める方法【メガバンク出身のコンサルタントが解説】
筆者も、母の年金額減少に“愕然”
母の時代にはなかった「第3号被保険者」制度
もちろん、夫婦関係にはいろいろ個別事情がありますし、妻が年上の夫婦もいるでしょう。健康状態から見て妻が先に亡くなると予想される場合もあるので、もちろん一概には言えません。夫婦仲の問題もあります。
ただ、多くの家庭で、夫に先立たれた妻が少ない年金額に苦しむケースが多いのです。
実はうちの両親もそのケースでした。父は93歳で2023年7月に大往生しましたが、遺された90歳の母の年金は、基礎年金が満額からはほど遠い金額で、年金額の減少に愕然としました。
母は子育てが一段落した段階で正社員として長く働き、そのため厚生年金がある程度の金額になっていたのですが、専業主婦だった子育て期間中に国民年金の納付をしておらず、未納期間があったのです。現在のような専業主婦を「第3号被保険者」として保険料の納付を免除する制度が母の時代にはなかったのです。
「うちの夫婦は関係ないよ」という方もたくさんいることは承知の上で、あえてみなさんにお伝えしたいと思います。
公的年金の受給方法では、何をおいても、妻の基礎年金を480か月納付の満額にした上で、「理論最高値」にするために75歳まで10年間繰り下げ受給とすることをお勧めします。
大杉 潤
経営コンサルタント/ビジネス書作家/研修講師