やりたいことがなく無駄な時間を過ごしてしまったり、やりたいことはあってもなかなか踏み出せなかったり、といった状況を経験したことがある人も多いのではないでしょうか。しかし、「何かに夢中になる時間がないことで、時間やお金を浪費し、不安や悩みにもとらわれやすくなる」と、ベストセラー作家の有川真由美氏は警告します。有川氏の著書『お金の不安がなくなる小さな習慣』より、解決策を見ていきましょう。
1日10分でできる“ある習慣”が人生にとって大切なワケ
昭和の作家、今東光さんが「人生とはなんですか?」と問われたときの答えは……。
「人生はな、冥土までの暇つぶしや。だから、上等の暇つぶしをせにゃあかんのだ」
私もたびたび、この達観した言葉を思い出して、同じように自分につぶやくのです。私たちが人生に迷うのは、「どう生きるのが正解か」と、生き方に正解を求めてしまうから。まわりの目が気になったり、人と比べて無力感を味わったり、人の言うことに傷つき振り回されて、「自分はどうしたいのか」がわからなくなるのです。
だから、1日10分でもいい。“ひとり作戦会議”を開いて、「ほんとうのところ、どうしたいの?」と自分の本音を聞き出そうではありませんか。
一日中、育児や介護で家族と一緒、長時間労働で同僚と一緒という人ほど、素の自分に戻る時間は必要。人の期待に応えてばかりだと、自分の期待や本音を見失って、心が泣いていることもあるはず。それを放っておくと、体の不調として表れてきます。ひとりの場所がなければ、お風呂や通勤時間にひとり作戦会議をしてもいいでしょう。
時間やお金の使い方を考えるときも、「自分はどんな生き方をしたいのか」という自分への期待がわかっていないと、浪費と後悔を繰り返すことになります。
「どう生きるかは、それぞれの計らい」というのも今東光さんの言葉。暇つぶしでも、ひとり旅の計画を練るように、自分で考えて実行する必要があるのです。
ひとりの時間は、自分を客観的に見つめる機会でもあります。賢い親友になったつもりで自分を見つめ「いま、心と体は大丈夫?」「ほんとうはどうしたい?」「どんな自分でありたい?」「優先事項はなに?」などと問いかけましょう。
思っていることを紙に書き出すのも、本音が言語化できるのでおすすめです。
ひとり作戦会議をする習慣で、“極上の暇つぶし”を楽しんでください。
有川 真由美
作家