海外旅行中、「ああ、英語が話せれば…」と思う場面に遭遇したことがある人も多いのではないでしょうか。英語で心地よいコミュニケーションをとるのは簡単ではないと思われがちですが、「難しい文法は必要ありません。とりあえず自分の希望意思を伝えればいい」と、国内外さまざまな場所への旅行歴が豊富なファッションスタイリストの地曳いく子氏は言います。地曳氏の著書『大人の旅はどこへでも行ける 50代からの大人ひとり旅』より、詳しく見ていきましょう。
「グッド」もどんな場面でも重宝するフレーズ
海外で、お店に入ると「ハロー ハウ アー ユー ドゥーイング?」と毎回聞かれますよね。これは単なる挨拶だけではなく、お店に入ってきた客がどんな人間かテストしている気がします。
島国の日本とは違い、他の国と地続きで、いろいろな国のいろいろな人種が同じ地域に暮らす欧米では、ちゃんと挨拶ができるかで受け入れたい客かどうか、安全かどうか試しているのかもしれません。シャイな人が多い日本人はつい無視しがちですが、明るく笑顔で挨拶を交わしてみましょう。
私たちが学校で習った「アイム ファイン サンキュー」は今はあまり使われていないようです。アメリカ人の友人に確かめたところ「ファイン」は「まあまあだけどなんとかやっている」的なニュアンスで、ファインの代わりに「グッド」を使うことが多いそう。「アイム グッド! サンク ユー、エンジュー?」と、「あなたはどう」と聞き返してくださいね。それでやっとお客扱いされる気がします。
グッドも便利な言葉です。おいしいお料理やワインも「グッド!」、素敵な服やアクセサリーも「グッド!」、ホテルのお部屋も「グッド!」、景色も「グッド!」。
強めの「ノー」で、拒否の意思をはっきりと
断る時は「ノー サンキュー」とキッパリと、笑わないで真顔で言いましょう。笑いながらヘラヘラ「ノォ〜〜」とか言うと拒否の意思が伝わらずつけ込まれたりします(特に道端の物売りなど)。般若のお面をかぶったくらいの顔で強く「ノー!」と言いましょう。
目が笑っていたら「ノー」と言っても、もう負けです。ちょっと丁寧な断り方は「No thank you, I’m fine. ノー サンキュー アイム ファイン」。これは「今、私いい感じだからほっておいてね」という意味です。これは、物売りがしつこい時やナンパされた時にも使えますよ(笑)。