未婚を通してきたのか、またはパートナーとの別れがあったのか、事情はさまざまですが、単身者、いわゆるおひとり様は増加の一途を辿っています。そんなおひとり様に共通するのが「お金の不安」。ひとりだから、将来への不安は大きなものがあります。みていきましょう。
65歳以上のおひとり様…年金だけで「生活できる」or「生活できない」
厚生労働省『令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、厚生年金受給者の平均年金月額は14万4,982円。65歳以上に限ると、男性が16万7,388円、女性が10万9,165円です。年金の手取り額は額面の85~90%程度。平均的な元サラリーマンであれば、月14.2万~15.0万円を手にしていると考えられます。
この年金額だけで暮らしていけるのであれば、現役を引退し年金が頼りの生活を迎えることに大きな不安を覚える必要はないのですが……総務省『家計調査 家計収支編 2023年平均』によると、65歳以上のおひとり様の1ヵ月の消費支出は14万9,033円。その内訳は以下の通りになります。
【65歳以上おひとり様の1ヵ月の平均支出】
消費支出…14万9,033円
(内訳)
食料…4万0,527円
住居…1万3,103円
光熱・水道…1万4,434円
家具・家事用品店6,219円
被服及び履物…3,420円
保健医療…8,178円
交通・通信…1万6,230円
教養娯楽…1万5,748円
あくまでも統計の平均値を参考にしたものではありますが、65歳以上おひとり様に「年金だけで暮らしていけますか?」と聞かれたら、「ギリギリか、ちょっと少ないくらいですね」という回答が正解だといえるでしょう。そのためにも、万が一のときのために、ある程度の貯蓄があることは、老後への安心の絶対条件といえそうです。
ただ、前述の調査の通り、将来に備えるお金があるおひとり様高齢者は7割。残り3割は余裕がまったくない状態だといえます。65歳以上のおひとり様は670万人、その3割ですから200万人ものおひとり様が「生きていくだけで精一杯」という状況にあるのです。
[参考資料]