書といえば書き初め

書といえば毎年お正月に書き初めを行ったことがある人も多いのではないでしょうか? 私も子どもの頃、冬休みの宿題には必ず書き初めがありました。

現在、私の主催している書道教室でも1月に開催するお教室では必ず書き初めを行っていただきます。

一年の抱負にちなんだ漢字や言葉を自由に書いていただき、なぜその漢字や言葉を選んだのかについてお話しいただくようにしています。

では、この日本の伝統行事である書き初めはいつ頃から始まったのでしょうか?

書き初めは、今から1000年ほど前の平安時代の宮中における「吉書の奏」という行事がルーツです。

吉書の奏は、改元・代替わり・年始など、物事が改まった節目に、「政治がつつがなく進行しています」という慶賀を天皇に文書で奏上するというものでした。

この吉書の奏は鎌倉・室町幕府にも引き継がれ、「吉書初め」という新年の儀礼行事として定着します。

江戸時代になると、この吉書初めがいよいよ庶民の間にも「おめでたい新年に書き初めを書く」という行事となって広がりました。現代の私たちのお正月に書き初めを書くのは江戸時代からということです。

江戸時代には、自宅で書き初めをする場合、年が明けて最初に汲んだ井戸水(若水)を神前に供えた後、その若水で墨を磨り、恵方に向かって詩歌を書いていました。

恵方とは「歳徳神」(年神様や正月様ともいう)という神様がいる方角で、その年の縁起の良い方角を表します。節分のときに恵方巻きを食べたことがある人もいると思います。その年の恵方を向いて黙って食べようという、あの恵方です。

ちなみにこの恵方は4方向しかありません。

西暦の一の位が……

4・9の場合は「東北東やや東」

0・5の場合は「西南西やや西」

1・3・6・8の場合は「南南東やや南」

2・7の場合は「北北西やや北」

と分かれます。歳徳神はこの法則にのっとって毎年お見えになる位置を変えているのです。

恵方にまつわるものでは恵方参りというものがあります。

江戸時代までは元日に自分の住んでいるエリアにある氏神神社や居住地から見てその年の恵方にある寺社へ参拝するのが主流でした。