「投資信託」のなかでも、「インデックス投信」を選んで

私が勧めるのは、手数料のできるだけ安い投資信託。それはインデックス投信といって、株式の指数に連動する投資信託で「パッシブ投信」と言われるカテゴリーに入ります。

反対が「アクティブ投信」で、こちらは株式の銘柄選定などの目利きができるファンドマネージャーが行うという触れ込みで、株式銘柄の調査分析コストや高額年収のファンドマネージャーへの報酬コストが手数料に含まれています。

これだけのコストをかけて調査分析をした結果、インデックス投信のパフォーマンスに勝てるアクティブ投信はそもそも3割以下しかない、というのがこれまでの実績。

日本よりずっと歴史や規模があるアメリカの株式市場での実績では、期間が長くなるほどインデックスに勝てる投信は少なくなっていきます。たまたま勝てる年があってもそれが長くは続かないというのがこれまでの結果です。

勝てる投資信託を当てられる可能性は少ないし、当てられたとしてもずっと勝ち続けられるかどうかは保証の限りではありません。だったらインデックス投信を買っておいた方が間違いはない、となるわけです。

アメリカ株式市場での実証分析を詳しく知りたい方は、バートン・マルキール著『ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第13版〉』(日本経済新聞出版)およびチャールズ・エリス著『敗者のゲーム[原著第8版]』(日本経済新聞出版)をお読みください。どちらも長く読み継がれている名著です。

おすすめは「ドル建て」のインデックス投信

それと、私がもう1つこだわっているのは、外貨建て(ドル建て)のインデックス投信がいいということ。2050年に向けた中長期では円安ドル高の為替トレンドになると私が予測しているからです。

これから追加で1億人の人口が増える世界トップの経済大国アメリカと2000万人以上人口が減って1億人を割り込む日本と、どちらの通貨の価値が上がるでしょうか、という話です。

私の予測よりは早いタイミングと速度で円安トレンドになっていますが、もちろん今後も揺り戻しの波はあります。

しかし、まだまだこの円安の潮流が続くと私は見ています。

大杉 潤
経営コンサルタント/ビジネス書作家/研修講師