人手不足問題を解消する有効な手段として期待される「アバター接客ツール」。近年ではコンビニや観光ガイド、アパレルショップなどの小売店や施設などで徐々に導入されはじめています。さらに、AI職員を活用した地方創生の新しい取り組みにも注目が集まっていました。ブロックチェーン技術を用いた次世代のネットワーク環境「Web3(ウェブスリー)」など新たなテクノロジーが浸透しつつあるいま、AI搭載アバターと地方創生にはどれほどの親和性があるのでしょうか?
人手不足解消、インバウンド対策まで…地方自治体で導入が進む「AI搭載アバター職員」の可能性 (※写真はイメージです/PIXTA)

観光案内所の「深刻な問題」を「AIさくらさん」が解消できたワケ

以前の糸魚川駅の観光案内所では案内スタッフ不足が深刻で、平日または遅い時間の場合はほかの案内所を利用する必要がありました。しかし「AIさくらさん」の導入により、人手不足の問題を解消。

 

さらに「AIさくらさん」は4ヵ国語に対応しているため、外国人観光客への案内も比較的容易になっています。

 

なお糸魚川市では、「AIさくらさん」が市の観光大使「ヒスイレディ」見習いにも就任しました。「ヒスイレディ」は糸魚川市に在住する女性から毎年3人が選出され、計6人で活動をおこなっています。

 

地方自治体を盛り上げる重要な存在として、「AIさくらさん」に期待が寄せられている証といえるでしょう。

迫り来る2025年問題にどう立ち向かうか?

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

近年たびたび警鐘が鳴らされている「2025年問題」。日本人のなかでも人口ボリュームの大きな「団塊の世代」(1947年~1949年生まれ)全員が後期高齢者となり、国民のおよそ5人にひとりが75歳以上の超高齢化社会へと突入することを指した用語です。

 

社会の高齢化が進むことで社会保険料の増加が見込まれるほか、医療現場や介護職をはじめさまざまな分野の仕事で人手不足の影響が大きくなると考えられています。

 

AI搭載アバターを私たちの実生活に即した形で導入することは、まさに「2025年問題」へと立ち向かうために重要な戦略のひとつと言えるでしょう。特に人口減少が甚だしい地方自治体においては、AIをはじめとする最新テクノロジーの活用が都市部以上に大きな役割を果たします。

 

「YAKAMIHIME」や「AIさくらさん」といったAI搭載アバターとの積極的な連携が、これからの私たちの暮らしを守ることにつながるかもしれません。

 

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〈著者〉

吉田康介(フリーライター)