※本稿は、テック系メディアサイト『iX+(イクタス)』からの転載記事です。
外食業界で人手不足を契機として「配膳ロボット」が急速に普及
人手不足が深刻化しています。帝国データバンクによると、2023年1月~10月の人手不足倒産は206件と、2014年以降で過去最多を記録しています。特に、外食業界はコロナ禍の冷え込みから来客数が回復した現在でも、スタッフを確保できずに苦しんでいる企業が多い状況です。その影響もあってか、省人化のためのソリューションが次第に普及してきました。QRコードを使ったスマートフォンからの注文やセルフレジも増えています。
そして、「配膳ロボット」も普及してきています。ほんの1、2年前までは物珍しさからロボットを見かけるとついつい注目してしまいましたが、今や当たり前の存在。中華系のレストランに行くと、中高年のサラリーマンがまったく戸惑う様子もなく、油でちょっと汚くなった配膳ロボットから料理を受け取っている姿を見かけます。
ガストやバーミヤンなどを展開するすかいらーくグループが配膳ロボットの大規模導入を発表したのが2022年12月のこと。当時はかなりの話題になったと記憶していますが、たった1年の間にあっという間に日常の光景の一部となったことに改めて驚くばかりです。
日本で利用されている配膳ロボットは、「KEENON」、「PUDU Technology」、「パンゴリン・ロボット」、「Yunji Technology」など中国勢が目立ちます。ロボットといえば日本のお家芸。産業用ロボットの分野では世界トップの座を堅持していますが、配膳ロボットや掃除ロボットなどのサービスロボット分野では様相が変わり、中国勢がリードしています。
しかし、サービスロボットのビジネスはロボットの製造だけではありません。ロボットという道具をいかに使いこなすかという「二次開発」の分野では日本にはまだまだチャンスがあります。