(※写真はイメージです/PIXTA)

GPPとともに生活を歩むうえでは、主治医である皮膚科医との良好なコミュニケーションがとても重要です。しかし、GPPは希少な疾患であることから、患者さんと医師が診察や治療、日常生活上の悩みなどについてどのような認識を持っているのかあまり明らかになっていません。そのような背景からGPP患者さんと皮膚科医を対象に実施されたWebアンケート調査の結果をご紹介します。
※本記事は、日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社が運営するオウンドメディア『GPPひろば』より転載したものです。

調査の方法

 

 

日本におけるGPP患者さん46人と皮膚科医66人を対象に、GPPの症状、治療目標、GPPとの付き合い方といった幅広い項目に関する質問票を用いて、Webアンケート形式で実施されました。

調査結果

■患者さんがもっともつらかった症状/皮膚科医が第1に取り除くべきと考える症状

GPP患者さんの90%以上がGPPの症状に悩まされていると回答し、そのうちのほとんどの患者さんが、最もつらかった症状として皮膚症状をあげていました。

 

[図表1]皮膚症状の内訳

 

一方、皮膚科医が治療を優先する症状としては、発熱(高熱)、悪寒(寒気がする)といった全身症状が多くあげられ、全身症状をより重視する傾向がみられました。

 

[図表2]全身症状の内訳

 

[図表3]患者さんが最もつらかった症状/皮膚科医が第1に取り除くべきと考える症状

 

【質問項目】

患者:確定診断時のGPPの症状や状態としてもっともつらかった(もっとも取り除いて欲しかった)症状や状態をお知らせください。

 

皮膚科医:GPPの急性期の治療において、心血管系・呼吸器系のプライマリーケア以外に先生が第1に取り除くべきとお考えになる症状や状態をお知らせください。

 

※ Yagi N, Tada Y, et al. Future Rare Dis. 2023. Epub ahead of print.本研究はベーリンガーインゲルハイム社の支援により実施されました。本論文の著者にベーリンガーインゲルハイム社の社員が含まれています。

 

■患者さん、皮膚科医が治療により最終的に期待する/目指す状態

半数以上の患者さん(56%)が、治療後に期待する状態を「完全に綺麗な皮膚」と回答したのに対して、「完全に綺麗な皮膚」が治療目標であると回答した皮膚科医の割合は患者さんよりも低いことが示されました(41%)。

 

[図表4]治療により最終的に期待する/目指す状態

 

【質問項目】

患者:GPPの皮膚の症状について、最終的にどのような状態になることを期待していましたか。

 

皮膚科医:GPPの皮膚の症状について、最終的にどのような状態になることを目指していますか。

 

※ Yagi N, Tada Y, et al. Future Rare Dis. 2023. Epub ahead of print.本研究はベーリンガーインゲルハイム社の支援により実施されました。本論文の著者にベーリンガーインゲルハイム社の社員が含まれています。

疾患に関する説明内容にも患者・医師間で認識に「差」

■病気の説明:患者さんが受けた説明/皮膚科医が行う説明

病気の説明について、皮膚科医が患者さんに伝えていると回答した説明内容と、患者さんが説明を受けたと回答した説明内容に差がありました。

 

特に「治療によって改善が期待できる」「国による医療費補助を受けることができる」「再燃(再発)を繰り返すことがある」「全身症状が出てしまうことがある」という内容についてはその差が大きいことが示されました。

 

[図表5]患者さんが受けた説明/皮膚科医が行う説明

 

【質問項目】

患者:確定診断のあと、GPPという病気について医師から受けた説明をすべてお知らせください。

 

皮膚科医:GPPの確定診断後についてお伺いします。先生が確定診断後に患者さんに行う疾患説明の内容をすべてお知らせください。

 

※ Yagi N, Tada Y, et al. Future Rare Dis. 2023. Epub ahead of print.本研究はベーリンガーインゲルハイム社の支援により実施されました。本論文の著者にベーリンガーインゲルハイム社の社員が含まれています。

 

■患者さんの悩みと医師への相談状況

ほとんどの皮膚科医が、患者さんから日常生活におけるGPPの影響について相談を受けたことがあると回答しました。

 

また、患者さんにとってもっとも深刻な悩みとして、対人関係、仕事・学校に関すること、GPPに対する理解不足、周囲のサポートが十分得られないことなどがあげられました。

 

[図表6]患者さんの悩みと医師への相談状況

 

【質問項目】

患者:日常生活のなかから、ご自身がつらい思いをされたことがある機会をすべてお知らせください。/周囲の理解について、ご自身がつらい思いをされたことがあるものをすべてお知らせください。

 

皮膚科医:先生は、GPPの患者さんから、患者さんご自身の日常生活に関する悩みごとについて相談を受けたことはありますか。/先生は、GPPの患者さんから、患者さんが感じている周囲の理解に関する悩みごとについて相談を受けたことはありますか。

 

※ Yagi N, Tada Y, et al. Future Rare Dis. 2023. Epub ahead of print.本研究はベーリンガーインゲルハイム社の支援により実施されました。本論文の著者にベーリンガーインゲルハイム社の社員が含まれています。

調査結果からわかること

●本調査結果から、患者さんと皮膚科医のあいだで、GPPの症状や治療目標に対する考え方に違いがあることがわかりました。

 

●また、皮膚科医と患者さんのあいだで疾患に関する説明内容にも認識の違いがあることがわかりました。

 

※ Yagi N, Tada Y, et al. Future Rare Dis. 2023. Epub ahead of print.本研究はベーリンガーインゲルハイム社の支援により実施されました。本論文の著者にベーリンガーインゲルハイム社の社員が含まれています。

 

 

ここで紹介したような認識の違いを解消し、患者さんご自身が納得して治療に取り組むことができるよう、症状や治療目標などについて、少しでも気になることがあれば、皮膚科医へ相談してみましょう。

 

 

※本記事は、日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社が運営するオウンドメディア『GPPひろば』より転載したものです。