技術の発展とともに、日常生活でもロボットを目にする機会が増えてきました。活躍するロボットたちの外見は2種類に大別できます。「ヒト型をしているもの」と「していないもの」です。今回はヒト型ロボットにスポットを当て、開発の歴史や社会での役割について解説します。※本稿は、テック系メディアサイト『iX+(イクタス)』からの転載記事です。
ロボットをヒト型にする必要性はあるか?次世代ロボット「Optimus」とペッパーくんが教えてくれること (※写真はイメージです/PIXTA)

ペッパーくんの現在は?

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

ペッパーくんは2020年夏から製造を停止していますが、保守サービスは継続して提供されています。「生産停止は一時的なものであり、ビジネスの状況を鑑みて生産再開を検討する」と公式に言及されています。

 

ペッパーくんは現在、持ち前のコミュニケーション能力を生かして「集客・接客」「介護」「教育」の分野で力を発揮しています。

ペッパーくんがお出迎えしてくれるカフェ

ペッパーくんの名前を冠しているカフェ「Pepper PARLOR」は、ペッパーくんがレセプショニストとして入り口で出迎えてくれます。入口だけでなく店内でも、各席を回って一緒に遊んだり、お客さんを盛り上げてくれる看板ロボットとして活躍しています。

 

発熱検知を搭載しているので、コロナ禍には感染対策としても力を発揮しました。

ペッパーくんが介護施設でリハビリ指導

介護施設でも活躍しています。介護施設の運営・アプリ開発を手がける株式会社ロゴスが開発した、専用アプリケーションを搭載し、リハビリやレクリエーション指導を行っています。

 

ペッパーくんはヒト型をしているので、シニア層がレクリエーションとして行うゆるやかな体操や運動を、実際にデモンストレーションして見せることができます。音楽をチョイスして胸元のタブレットから流し、親しみのある声で語りかけながらレクチャーしてくれます。

 

このように、用途に合わせたアプリを開発し搭載することで、ペッパーくんの活躍の場を広げていくことができます。

教育現場でも活躍!子どもたちに学ぶ楽しさを伝えるペッパーくん

子どもたちのプログラミング教育の教材として、全国の小・中・高等学校で活躍しています。子どもたちにプログラミングの楽しさを伝えるには、自身が入力したコードが、「現実世界にどのような変化をもたらすか?」が焦点となります。

 

ペッパーくんなら、動き、会話、ディスプレイ表示など120種類以上のブロックを組み合わせて自由に設定することができ、親しみやすく、楽しく学ぶことができます。

まとめ

ヒト型ロボットはわたしたちとよく似た形をしていることで、人間を模した動作ができ親しみをもてます。

 

一方で、互いにない特徴・能力も持ち合わせているため、よき友人として補い合うことができます。今後ますますロボットと共存し、助け合っていく未来がくるでしょう。

 

文/福永 奈津美