「推し」という言葉が広く認知され、推しのためにお金や時間を割く行為は「推し活」と呼ばれるようになりました。推し活の代表例であるグッズ購入ですが、なかでもアイドルグッズは「NFTアート様式」を取り入れることで画期的な進化を遂げようとしています。今回は、「NFT」がアイドルグッズにもたらすメリットと、「推し活」の今後の展望ついて解説します。※本稿は、テック系メディアサイト『iX+(イクタス)』からの転載記事です。
変わる「推し活」…NFTアートグッズで“推し”がもっと身近に (※写真はイメージです/PIXTA)

アイドルグッズがNFTアート様式で発売されるケースが増加しています。公式グッズであることを証明可能なNFTは「売り上げに貢献することで、アイドルを支えたい」「非公式グッズを購入することで、アイドルに迷惑をかけたくない」と考えるファンに訴えることができ、今後ますます発展していきそうです。

 

本記事ではいくつかの事例を紹介しながら、デジタルグッズならではのメリットや魅力、そして可能性をリサーチしていきます。

推し活の証…時代と共に変わるアイドルグッズ

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

「〇〇のファンです」から「〇〇が推しです」という言い回しに変化する中で生まれた「推し活」という言葉。推しを応援するため、お金や時間を割く活動全般を指します。

 

近年の傾向として挙げられるのは、推しの対象がアイドルや俳優、スポーツ選手などの実在人物にとどまらず、アニメや漫画のキャラクター、そして鉄道や動物などにまで広がっていること。

 

「追っかけ」文化と「オタク」文化が心理的に歩み寄った結果、境界は限りなく曖昧になりました。いつの時代にもマニアックな人が存在する一方、ほどほどなスタンスを保つ人も気軽に「推し」や「推し活」という言い回しを使うようになりました。

 

推し活には必ず消費行動が含まれるもの。ライブやスポーツ試合のチケット購入は「推しに会う」ための基本的な消費となります。また日時や会場にとらわれず、より手軽に「推しを感じる」にはグッズ購入が最適。熱心なファンは入手したグッズを身に着ける、SNSで紹介するなどの方法で推しの魅力を伝えてくれます。

 

時代を超え量産されてきた王道グッズには、推しの作品(CD、DVDや写真集など)、ポスターやブロマイドなどの写真、そしてTシャツなどの装身具が挙げられます。うちわやマグカップといった生活雑貨も不変の人気。憧憬の対象となるアイコンのプリントさえできれば、商品化の可能性は無限大であることが示されてきました。

 

一方で、公式グッズのラインナップに大きな変化は生まれていません。ネット上に氾濫する画像やテキストはコピーが容易であるため、肖像権保護の観点からも、グッズのデジタル化には慎重だったと考えられます。そんな中、NFTアートを活用した画期的なアイドルグッズが登場しました。