より安心安全で効果の高い美容医療へ
こうしていまも研究開発が進む美容医療業界は、ほんの数年先には想像を超えた進化を遂げている可能性があります。ただし、テクノロジーだけが発達しても先述したようなトラブルが減少するとはいえません。進化に合わせ、治療や施術を行う医師も技術や知見をアップデートする必要があるでしょう。また、利用する側のリテラシーも高めていくことが重要です。
「法整備はもちろん必要ですが、グレーな部分をかいくぐる業者が消えることはありません。ネットなどを通して発信される情報を鵜呑みにせず、副作用のリスクはあるのか、ほかにどんな治療法があるのか、信頼できる情報源なのか、など利用する側も主体性を持って正しい情報を選ぶ力が不可欠です」
テクノロジー、施術者、利用者……この3者がそれぞれ“進化”することで、より安価で安心安全に、美しさを手に入れられる未来が見えてきます。
<出典>
・消費者安全調査委員会による「エステサロン等でのHIFU(ハイフ)による事故」
木村 真聡
美容皮膚科医。大阪大学医学部医学科卒業後、同大学附属病院や一般病院勤務を経て美容医療の道へ。美容皮膚科医として10年以上のキャリアを持ち、医療脱毛や美容皮膚治療を専門とする「レジーナクリニック(https://reginaclinic.jp/)」グループの総院長を務める。