テクノロジーを活用すれば、子どもたちの学習環境の選択肢が広がる
今では通学せずに自宅にいながらネットで学ぶことができるオンライン高校が日本でも普及し始めています。テクノロジーにより学習管理が容易になったので、義務教育においても制度改定などのきっかけがあれば今後広まってくるはずです。
とはいえ、在宅が良い、通学が良い、という二元論的に話が進むわけではありません。その間には中間の色がグラデーションのように広がっているはずです。大事なポイントは選択肢があり、かつフレキシブルに選択可能なことです。
もし、教育の目的が学力を上げることだけであれば、カリキュラムに沿って一つ一つ積み上げていくやり方がより効率的であることは間違いありません。そうではなく、興味のあることを深掘りして創造性や探究心を養うことを目的にすると、できるだけ幅広い選択肢の中から選べることが重要になります。
急に熱中することが見つかり通学時間を惜しんでまで取り組みたくなったら、あるいは友人関係に悩み少し時間や距離をおきたくなったら、簡単にホームスクーリングに切り替えられるようにすることは、少なくともテクノロジー面では十分に実現できる社会になっています。
子どもの教育にとってゲームは悪者?
子どもたちが時間を忘れて熱中してしまうことといえば、現代ではゲームが代表的な存在かもしれません。本来であれば子どもの熱中体験はポジティブなことですが、ゲームとなれば話は別というのが、一般的な保護者の感覚でしょう。
ゲームというバーチャル空間で長時間過ごし、生活リズムや体内時計が昼夜逆転してしまう「デジタル時差ボケ」が問題視されています。睡眠時間が削られてしまうほどの熱中はさすがに問題ですが、ゲームを一方的に悪者にしてしまうのも、また問題です。
一口にゲームといっても様々なジャンルがあり、課金をすればするほどキャラクターが強くなり、攻略しやすくなるゲームもあれば、世界中の仲間たちと協力しながら創意と工夫で困難を乗り越えていくゲームもあります。これらを一緒くたに語ってしまえるほどゲームの全体構造はシンプルではありません。