資産運用の定番である不動産投資。日本国内で最も注目を集めるエリアは「東京」を有する首都圏だが、昨今は「大阪」の不動産を買い求める富裕層が増加しているという。大阪・梅田に拠点を構え、市内に区分投資用ワンルームマンションを数多く展開する株式会社ファーストステージ取締役、谷口恵亮氏に、大阪不動産の魅力について話を伺った。

不動産の分散投資が叶う、最後の大都市圏「大阪」

 

東京オリンピック・パラリンピック閉会後の冷え込みが心配されていた東京の不動産市場。しかし2021年の開催以降も価格上昇は続いている。多くの専門家が「東京五輪が終われば、不動産バブルは崩壊する」を予想していたが、その予兆さえ見られず、新築マンションの価格はバブル期を超え、まだまだ天井は見えてこない状況だ。地価の高止まりに加え、資材不足などから建築費も高止まりのままというのが、主な原因だといわれている。

 

こうしたなか、東京・都心の優良物件への投資は叶わず、郊外へ目を向ける動きもあるが、そのようなエリアでの不動産投資は先行き不透明だ。一方、関西の大都市・大阪の不動産に目を向けてみると、物件の価格差に愕然とするだろう。

 

「東京の物件は賃料を高く設定できますが、何といっても価格が高過ぎます。同じ作りや広さの物件でも、大阪の1.5倍ですからね。具体的に言うと、大阪なら2,000万円の物件が、東京だと3,000万円から3,500万円程度になります。金融機関から1億円の融資を受けた場合、大阪では5件の物件購入へ充てられますが、東京では3件買えるかどうかも、怪しい状況です。

 

不動産投資家は、複数の物件を保有することがリスクヘッジとして有効であることを、よくご存知のはず。また減価償却費を多く計上できるなど、税制上のメリットも多い。大阪ならうまくエリアを分散させながら、より多くの物件を運用することが可能になりますよ」

 

大阪の総人口は260万人以上。また新型コロナウイルスの感染拡大前は、京都や神戸といった観光都市の中継地点として、インバウンドからも絶大な人気を誇っていた。立地さえ外さなければ低リスクの不動産投資が実現しやすいと、谷口氏は力説する。

 

「東京より物件価格が低いので、利回りも当然良くなります。東京では3%台を切るような物件でも、大阪では4%台に乗せることが可能なのです。こうした条件を鑑みたうえで大阪と東京の不動産投資を比較すると、大阪に明らかな優位性を感じていただけるのではないでしょうか。実際のところ、いま私どもと契約していただいているオーナー様の7~8割は、東京在住の投資家の方々です」

進む大規模開発…大阪不動産が秘める高いポテンシャル

 

梅田や難波など、JR環状線沿線に繁華街が密集している印象の強い大阪だが、今後はますますの発展が期待できるイベントの準備、そして大規模開発が進行している。

 

「まず2025年には『大阪・関西万博』が開催される予定です。会場となるのは大阪市の西側にある『夢洲(ゆめしま)』。これまでは大阪市内からバスで出向くしかない場所でしたが、大阪メトロが鉄道を延伸し、2024年に『夢洲駅』が誕生する予定です。また統合型リゾート、通称IRの立地実現に向けた取り組みも、引き続き行われています。これまでは市内でもマイナーなエリアでしたが、今後数年の間にふたつのプロジェクトが進んでいけば、周辺エリアの不動産価値も大いに高まっていくでしょう」

 

なにわの海の時空館 、咲洲(左下)と夢洲(右上)
なにわの海の時空館 、咲洲(左下)と夢洲(右上)

 

約60年ぶりに開催された東京オリンピックは、新型コロナウイルスという予期せぬアクシデントに見舞われ、縮小開催を余儀なくされた。しかし大阪で約50年ぶりに開催予定の万博までには、あと数年の猶予がある。パンデミックの猛威が順調に収束し、本来のかたちでの開催が実現した暁には、大阪エリアに約2,800万人という想定来場者と、約2兆円の想定経済波及効果がもたらされるのだ。

 

「そのほかにも、梅田駅の北側で大規模再開発が進んでいます。同エリアは『日本に残された、最後の一等地』と呼ばれていますので、投資家の皆様にはぜひ注目していただきたいところ。すでに『グランフロント梅田』や『ナレッジキャピタル』などの大型施設が竣工済みですが、これから万博開催に足並みを合わせるように、第2期の開発が進んでいきます。その中には大規模都市公園の造成が含まれており、周辺宅地も整備される予定ですので、土地や物件の価値、そして地価の上昇や人口流入が期待できるでしょう」

 

開発が進む「うめきた」
開発が進む「うめきた」

 

谷口氏の説明通り、現在の大阪は経済成長に繋がる多くの要因を内包しており、将来の発展に大きな期待がかかる。東京でも丸の内や八重洲、品川、六本木など、至る所で再開発が進行中だ。しかしそれは規模は大きくても“点”の更新でしかない。しかし大阪は、日本第2位の都市圏でありながらインフラ整備を伴う開発が進んでいる。そのインパクトは計り知れない。今後10年の間に、大阪の不動産価値は大きく跳ね上がるという可能性が高く、投資家は現在、最大にして最後のチャンスを迎えていると言っていいだろう。

 

またこうした時の勢いに呼応するかのように、近隣の京都府や和歌山県から18~24歳の若年層転入が増加中というデータもある。株式会社ファーストステージが供給する区分型ワンルームマンションの入居率も安定的に推移していくことになりそうだ。

 

後編では大阪市に高い専門性を持つ谷口氏に、狙い目の投資エリアを伺いながら、同社の物件情報や管理システムについて、具体的なお話を伺っていくことにする。