五輪開催決定でブリスベンの不動産価格はどうなるか?
五輪の開催が決まると、再開発や都市整備(競技場や選手村の建設など)によって「不動産価格は上がる、あるいは上がりそう」というイメージが真っ先に頭のなかに浮かぶかと思います。五輪は世界最大のスポーツイベントであり、市場に大きなインパクトを与えることは容易に想像ができますし、それに伴い、期待値が急速に上がることは自然なことです。
それでは、実際のところはどうでしょうか?
現在オーストラリアでは、不動産エコノミストたちが、過去の事例と照らして、今後期待できるであろう不動産価格の上昇について分析しています。ここでは、2人の専門家のコメントを紹介し、筆者の見解を述べさせていただきます。
豪州不動産大手調査会社コアロジック社の取締役を務めるTim Lawless氏は、「2000年にシドニーでオリンピックが開催されたが、開催が決定した1993年から2000年に開催されるまでの7年間に、不動産価格は60%以上上昇した。これは一つの事例に相当する」と述べています。
また、PRD不動産調査会社のチーフエコノミストDiaswati Mardiasmo氏は、「2015年にブリスベンでG7サミットが開催されたが、開催が決定した2003年から2015年に開催されるまでの12年間に不動産価格は112.7%上昇した。この事例を参考にすると、ブリスベンの不動産価格は2032年までに2倍になる可能性はある」とも述べてます。
筆者はオーストラリアに34年間住んでおり、2000年のシドニー五輪、2015年のG7サミット開催も現地で体験しました。そのため、国をあげてのイベントの開催が近くになるにつれて不動産市場が熱を帯びてきたことは今でも鮮明に覚えており、先ほどの2名のコメント内容については、まったく違和感がありません。
もちろん、不動産価格が上昇するには、重要な要素(カギ)があります。それは、「今後、政府と民間が五輪にどのくらいの金額を投資するか」です。
しかし、ブリスベンとゴールドコースト間のSEQは、クィーンズランド州政府の"肝入りの戦略エリア"なので、五輪開催の正式決定を機に、政府と民間による投資は今後加速することが予想されます。その結果、ブリスベンとゴールドコーストの不動産の価格上昇も高い確率で期待できると考えます。
砂川 盛作
株式会社ワイドエステート 代表
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